KouheiNakamura

ワイルド・スピード ICE BREAKのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

4.0
薄氷の下にあったもの。


今や世界的大ヒットシリーズとなったワイルドスピードシリーズの第8作目。前作よりもより派手になったアクションシーンが見どころ。ヴィン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサムらハゲ…いやスキンヘッド俳優三人の豪華競演も見逃せない。

前作スカイ・ミッションはシリーズファンにとっては特別な一作だった。シリーズの中核を担うキャラクター、ブライアンを演じたポール・ウォーカーの死。それを受けて作られたラストの追悼シーンは涙なしでは見られない、名シーンとなった。製作陣からポールに捧げる、ラスト・メッセージ。
それが前作スカイ・ミッションを大作アクション映画以上のものに押し上げていた。

ではポールが亡くなってから、その意向を受け継いで作られた今作はどうか?
前作以上にスケールの大きい一大カーアクションは見てるだけで爽快だ。シャーリーズ・セロンも強大な悪役を嬉々として演じている。ジェイソン・ステイサムも前作以上の八面六臂の活躍振り。大作アクション映画を観たという満足感をしっかり味わえる作品であることは間違いない。

しかし、しかしだ。やはり主人公のドムがチームを裏切るという本作のストーリーを見ると、ブライアンが出ない不自然さが際立ってしまったように思う。例え家庭を持っていようと、親友のピンチには絶対に駆けつける。ブライアンとはそういう男だ。
もちろんポール・ウォーカーがいない今、それが出来ないことは十分分かっている。
それでも、やはり楽しさの後に一抹の寂しさを感じる作品であることは否めない。これから2作作られる続編で、この寂しさは払拭されるのか?シリーズの今後に期待したい。
KouheiNakamura

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