ベルサイユ製麺

弁護人のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

弁護人(2013年製作の映画)
3.3
ケンタッキーや天下一品みたいに、たまーにソン・ガンホを欲してしまう時がありますよね。そんな時にもってこいの一本です。ガンホ出ずっぱり、加えてオ・ダルスまで!顔・顔・顔。
80年代の実話の映画化という事で、眼鏡デカい!ヘアスタイルもさい!スーツがダサい!もう最高です。韓国映画は2〜30年前の実話系が一番好みです。

頼りない俗物弁護士があぶく銭を掴みまくるピカレスク的(?)な前半から、義憤に駆られ国家との勝ち目のない闘いに挑む後半への流れは緩急が効いててとっても良いです。
“国家の敵”を守る為に全力を尽くす弁護人といえば、大傑作『ブリッジ・オブ・スパイズ』を連想させますが、実際触発された部分はあるんではないかな。だいぶテイストは違いますけどね。
法廷で重ねられる決死のバトルは、ちょっとロッキーみたいと思って盛り上がりました。それだけに、実話とはいえこの結末は…。感動させる、とか考えさせるとかよりも、なんとなく“国家に対する怒りを増幅させる為の装置”として作られたのでは?なんて勘繰ってしまいました。韓国はいつも怒っている。Korea’s burning!
で、これも実話とはいえ、ラストのシークエンスもプロバガンダめいていて違和感を覚えました。国家がいつも悪いわけでも、弁護士が常に大衆の味方な筈も無いと思うよ。ノーモア単純化。
あと、彩プロのサウンドロゴ、脱力感が凄いので、ずっと変えないで欲しい‼︎