sicklychic

ステーキ・レボリューションのsicklychicのレビュー・感想・評価

3.5
お肉のアウトロー達が、
自分哲学を披露する垂涎ムービー。

フランスのお肉サイコー!
と言っていた監督が、NYでサイコーのステーキを更新したことをきっかけに
世界のステーキとその生産者を探訪するという作品。

やれ二酸化炭素だ、メタンだ、
ヴィーガンだ、と、近年何かと槍玉にあげられがちな畜産に真っ向から挑み、各国の畜産やステーキの意識を掘り下げます。

それぞれアプローチが違うけれど、共通しているのは、「おいしいお肉を作りたい」というのと、飼っている牛への愛情。

もちろん日本も。鎌倉のお肉屋さんから
神戸牛、東京の鉄板焼き屋さん?を経て松坂へ。
ただ、世界で放牧、グラスフェッドが進む中、「時代遅れ」とされている飼育方法が日本での問題として挙げられていたのが、生産者の方々のホスピタリティや笑顔とのギャップを生んでいました。
ただ、食したときのリアクションは嘘がつけないようで。
日本の畜産の未来へのヒントが隠されているのでは、とも思います。

スコットランドの牛のフカフカ具合、
そのフカフカを自分の角でかいかいする姿が可愛すぎました。
イタリアの地域全体を回しているやり方も、フランスの素敵な女の子とそのアウトローすぎるワイン製造のお父さんも。
スウェーデンでの知識を活かしたこだわり、NYのお肉屋さんとステーキ店の自信。そしてスペイン。

屠殺、という複雑な出来事はついてまわるはすだのに、かわいがられてのんびり育つ牛達が話の中心なので、なぜかとても癒されました。ゼロ殺伐。
エンディングも気持ちの良いまま、
のびのびと。

とても興味深い映画でした。
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