sicklychic

浅草キッドのsicklychicのネタバレレビュー・内容・結末

浅草キッド(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

観るつもりなかっただけに、
想像を超える感動に思わずレビューです。

現代のたけしさんが
最後までご本人にしか見えない。
のは置いておいて、
大泉洋さんですよ。
ど素人ながら、笑いにおける間の大切さは
うすうす感じているのだけど。
間が天才。
師匠、かっこよすぎる。
褒められてニヤついてしまうのを
クールに装う、ああいう性格も
演技なんだからすごい。
生粋の芸人さんってやっぱりかっこいい。
舞台の外じゃ良い服を着ろ、
見てくれで笑わせても何にもならない、
世界で一番美人になるように化粧しろ。
笑われるな、笑わせろ、
芸人だ、ばかやろう。
同じネタで、笑えるのと笑えないのと
しっかり入っているのも効いている。
あのやり返し、痺れる。
笑うってなんて奥が深いんでしょう。

奥様含め、みなさん人生がかっこいい。
表を取り繕っても、
中身が無粋じゃあなんともない。
芯がかっこいいのが一番だ、と
改めて思いました。

千春ちゃんの、
「なんて読むの?」

「…くじら」って答えて、
「人間ていいな」を
歌って家に帰るあのシーン、
泣けた。

劇団ひとりさんの手腕に感服です。

柳楽優弥さんの演技は言うまでもなく。
肩幅が狭いからご本人じゃないかも?って思うくらいで。ツービートの頃を存じ上げないので、若い頃はわからないけれど。
肩のすくめ方や笑い方、ビートたけしさんでしか見たことのないまばたきの仕方など、まぁ不思議な感覚に陥りました。

ナイツの土屋さんは声とトーンですぐ分かっちゃう。というのも、人気の芸人さんの才能だなぁと思いつつ。

撮影の仕方、「ララランド」や「バードマン」を思い出します。
ちょっとハリウッドっぽいというか。
捕鯨船のシーンはどれも素敵で、
夜道含めて浅草も絵になりますね。

わたしもかっこいい人生を送ろう、
と思った映画でした。
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