たけちゃん

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)のたけちゃんのレビュー・感想・評価

4.5
APEs Together Strong!


マット・リーブス監督 2017年製作
主演アンディ・サーキス


泣いた!泣きましたよ😂

はぁ、参ったなぁ。すごく良かったc((*^ェ^))ɔ


オープニング、二十世紀FOXのロゴが出る時の音楽がドラミングなんですよ。もう、そこからいい( ˘ ˘ )ウンウン

そして、耳に入ってくる森のざわめき。
あぁ、シーザーの森に戻ってきたぞって思いました( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )


今作は最初にシリーズを文字で簡単に振り返ってくれます。なので、シリーズ未見の人にも優しい。復習なしでも観に行ってね✧٩(ˊωˋ*)و✧


1作目「RIZE 」はAPEたちが「立ち上がり」、暴動を起こすことになるストーリー(>_<)

2作目「DAWN」は、まさに猿の王国、猿の惑星の始まり、「夜明け」の映画です。シーザーは人間との共存を求めたが、叶わなかった(T_T)

そして、最終作「WAR」は、そのまま、人とAPEとの「戦争」映画でした!その結末は……。





このコメントがネタバレになるかもですが、僕はこの映画、「出エジプト記」だと思いました。
そう思って観ると、今までのストーリーも、物凄く得心がいく。それが分かると、個人的には邦題もあながち間違いではなかったとも感じましたね( ˘ ˘ )ウンウン



シーザーはモーセなんです。
サルなのに人の世界で育てられる。
それは、モーセがエジプト人の中で育つのと一緒です。
そして、知る自分の出生の秘密。
自分の民族的なルーツ。
虐げられる同胞。
そこからの旅立ち。
そして、その最期……。

これはまるでAPE版「出エジプト記」です。


大佐に捕まり、労働を強要されるAPEの姿は、僕はそのままイスラエルの民と重なったなぁ(T^T)


シーザーは2人の息子を授かります。
1人目は前作でも重要な役割を担った「ブルーアイ」。そして、もう1人の息子が「コーネリアス」。

このコーネリアスという名前は「猿の惑星」では重要ですよね。オリジナル1作目でジーラと共に主人公テイラーを助けるのもコーネリアスです。また、3作目「新・猿の惑星」で過去の地球に行くのもジーラとコーネリアス。で、このジーラとコーネリアスの息子マイロは、後にシーザーという名を与えられ人間への復讐を行うのですよね。


さらに、大佐を追うシーザーたちが出会う人間の少女の名はノヴァ。
このノヴァって名前は、オリジナルの「猿の惑星」で、テイラーの伴侶となる女性の名前です。同じように口がきけません。


なるほど、オマージュが多い(๑•̀ •́)و✧




今作でのシーザーは、善悪の間で揺れ動く存在なんですよ。

その悪の象徴は「コバ」。人間への憎悪で生きていました。今作、シーザーは個人の復讐ゆえに、どんどんコバと化していきます。

逆に善の象徴とも言えるのが、オランウータンの「モーリス」です。家族を思い、APE全体を思い、さらには、弱き人をも思う。さすが「森の人」と思いました( ¯−¯ )フッ

この2人(2猿?)とも、第1作以来の最初の仲間です。この2人の間での揺らぎが本作をより深い作品へと誘っていました。本当によく出来ていましたね。


そして、初めてクレジットのトップにアンディ・サーキスが来ましたね。おーって感動しました!その通り、今作は、まさにシーザーの映画でしたよ\(^o^)/

第1作ではチンパンジーのような立ち居振る舞いだったのが、どんどん人のような姿に変わっていくところも素晴らしい。その姿から猿の惑星に近づいてゆくのが分かります。

はぁ、泣きました( ˘ ˘ )ウンウン





おまけです(*´∇`*)
ちょっとだけネタバレと音ネタ💩ウンチクン。ストーリーのネタバレは無いけど、観てから読んでね!



今作は最終作であり、次作がオリジナルの「猿の惑星」なので、猿の惑星への直接的なオマージュが多いんです。

例えば、カーネルのアジトに近づいた時、❌印に張り付けられていたAPEたち。この姿はオリジナル版で、APE世界の境界にありました!人間世界とAPE世界を仕切るものです。


アジトの中には「よい猿は死んだ猿」の書き込み。これはオリジナルで使われた「良い人とは死んだ人だ」のセリフに呼応しています。


モーセの如くAPEたちを率いて新天地を目指し旅するシーザーたち一行。その姿はモーセとイスラエルの民そのもの。そして、その結末もまた、約束の地を目前にして息絶えたモーセと同様になるのです……。


オリジナルでテイラーたちの乗る宇宙船が落ちる湖もシーザーたちの見つけた新天地に似てたよね。オリジナルを観た人なら、あ~、ここかあって思うはず。


前作のレビューで僕が書いたオリジナルへの謎。実はしっかりと映画の中で描かれていました。都合良いとも思うけど、製作者としてきちんと答えを提示したのは誠実で良いと思いました(๑•̀ •́)و✧



そして、映画で唯一使われる曲、大佐が自分の部屋で流しているのは、ジミ・ヘンドリックスの「Hey Joe」です(๑•̀ •́)و✧

ジミ・ヘンドリックスは知る人ぞ知る黒人ミュージシャンで、ロックレジェンドなんですが、ご存知ですか?
もっとも偉大なロックギタリストの第1位にも選ばれたことのある人なんですよ( ˘ ˘ )ウンウン

軍役の経験もあり、60年代はじめにあの第101空挺師団に所属していました( ¯−¯ )フッ

その後、1960年代後半にロックシーンに登場したジミヘン。当時の黒人はモータウンに代表されるソウルやR&Bがフィールドだったのに対し、サイケデリック・ロックの世界に忽然と現れたんですよね。イノベーターであり、パイオニアでもありました。

1970年、わずか27歳でこの世を去り、本当に伝説となりました(T_T)

この映画で使われた「ヘイ・ジョー」は、そのジミヘンのデビュー作です。このジミの演奏に触れたジェフ・ベックは廃業を考えたというから凄い。

この曲は、浮気した女房を撃ち殺しに行くっていう内容の曲で、暗に、シーザー、お前のせいで妻が死んだんだって伝えているんだと思いましたよ。




はあ、素晴らしい映画でした!
これ観たら、確かに続けてオリジナルが観たくなりました。そんな気持ちにさせるリブート版の傑作です
(。・ω・。)ゞビシッ!!