無頼漢 渇いた罪のスマイリーのネタバレレビュー・内容・結末

韓国ノワールにまた一つ傑作が加わったと言ってもいいと思う。

驚愕の真実みたいなのは実際ない。パクが姿を消したのに何か大きな理由が、など意外なことはない。専務がパクを探す理由も、裏に何かがあったわけでもなく、早々に述べられたままの理由。

なのだが、この映画の見所といえば、2人が一線を越えるシーン以降だろう。ファムファタールに魅惑された主人公は、王道ノワールなら真実の此岸を越えて女に溺れる。この映画ではどうだろうか？

そして相手を信じるか、自分を信じてもらうかを巡る駆け引きのような会話はスリリング。信じてもらうのもそれはそれでという、心の痛む場面でもある。
会話といえば、体の傷についてどういう会話がなされていたか？これを想起するとラストの展開の重さがまた変わってくる。

全てのカードが明かされたとき、ヘギョンは全てをジェゴンに明かしていたことがわかる。普段は着飾っていたヘギョンが白いシャツにスッピンをジェゴンに見せて、手料理も振舞っていた。こういう演出もさすが。

最後にこれを忘れてはいけない。チョン・ドヨン綺麗すぎ！やさぐれ演技も良かった。

今年はノワールの傑作が多い。その一本として見逃せない作品だった。