Jun55

この世界の片隅にのJun55のレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.5
今夏、NYでの公開でようやく観ることができた。
先ず以って、日本が戦場であった事実、当事者であったこと、これを風化させてはいけないし、今、シリア等世界各地で起こっている紛争を、この戦争を経験した日本人のスクリーニングで理解することが重要だと思った。
もちろん、戦争の悲惨な状況が十分伝わる映画なのだが、食材がない中での料理や食事の時の団欒の場面等、悲壮感だけではなく、心は豊かで優しさと懐がある心の風景が伝わってくる。
それに加えて、原爆投下で映画が終るのではなく、終戦後もストーリーが続くところに、人間の真の強さ、生の強さのようなものを感じ、自分の中で強く響く部分になった。
すずさんの描く絵がアニメの中でシンクロしている部分がとても印象的で、これこそ実写では実現不可能なところなのだろう。
そして音楽もとても良かった。
アメリカ人がどれ程理解できるのだろう?と思って観ていたのだが、当地でもRotten Tomatoesで98%の高評価。
Jun55

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