問題児だった少年が、一つの出会いをきっかけに才能が目覚める話。
神より授かったわずかな期間の美声。
とても儚くて価値のあるものだと思うけど、主人公である少年は音楽に向き合おうとしない。
ボーイソプラノをテーマにした映画は他にもあるけれど、この映画に関しては主人公のキャラクターと同様せっかくの美声を生かしきれてなかった気がする。
さんざん大人に振り回された挙句、秘められていた才能が開花したのは分かったけど、そこからの展開が淡々としすぎ。
才能に目覚めるだけでなく、歌う楽しさを知る過程だったり、仲間との和解とか、話を盛り上げるドラマが丸々すっとばされていて、ただ用意されたステージをこなしているだけみたいな感じになってる。
寄宿舎内でのドロドロした人間関係ばかり目について、ラストまで解消されずに進んでいくもんだからカタルシスもなにもあったもんじゃない。中途半端な作品だった。