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地球を守れ!の一のレビュー・感想・評価

地球を守れ!(2003年製作の映画)
3.7
『1987、ある闘いの真実』のチャン・ジュナン監督デビュー作

あのアリ・アスター監督が影響を受けたというのも納得の狂乱具合

地球がエイリアンに侵略されていると思い込む青年と、エイリアンに間違えられた会社社長の誘拐事件を描いた異色のSFファンタジー

可愛らしいB級感丸出しのポスターや邦題とは裏腹に、余裕でカルト映画です
さらに、アリ・アスター監督が本作のハリウッド版の制作プロデューサーを務める予定だというから驚き

韓国のカルトと言える映画は初めて観たし、そもそも『1987』の監督が、しかもデビュー作で、このような映画を撮っているのは意外を通り越してなんかかっこいいとすら思える

しかもただのカルト映画ではなく、SFからコメディそしてサスペンスにもまでも及ぶ、様々なジャンルが融合した映画なので、一般的なカルト映画と言われるものよりは見やすいはず

初めはゲラゲラ笑いながら観ていられるんですが、物語が進むにつれ風刺や皮肉をまじえて描かれるため、徐々に青ざめながら、しまいには泣きそうにもなるなんていう展開
そんな戯言全てをぶっ壊すラストのぶっ飛び方も面白い

拷問シーンなんかはいつもの韓国映画クオリティで、目を背けたくなる生々しいバイオレンス描写

シン・ハギュン最高にはまり役だったし、あのファン・ジョンミンではなく、同姓同名のぽっちゃりした女優のファン・ジョンミンさんが凄く良かった

モスクワ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞しているだけのことはあり、なかなか狂ってるけどしっかりと考えさせられる作りになっているので、ポスターやタイトルで侮るなかれ☝🏻🔥

〈 Rotten Tomatoes 🍅90% 🍿88% 〉
〈 IMDb 7.3 / Metascore 70 / Letterboxd 3.6 〉

2020 自宅鑑賞 No.444 GEO
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