TEPPEI

スパイダーマン:ホームカミングのTEPPEIのレビュー・感想・評価

4.6
日本版テーマソングを担当した関ジャニの舞台挨拶付きの試写会で一足お先に鑑賞。今回は日本語吹き替え版の上映だったがアイアンマンことトニー・スタークの声を演じる藤原啓治さんが復帰したこともあり話題作の「スパイダーマン:ホームカミング」。まずは権利関係がマーベルに返還されソニー配給でようやくMCUの仲間入りを果たしたスパイダーマンは「アメイジング・スパイダーマン」を白紙にして新体制で製作された。関ジャニの皆さんはすごくトークが上手くて楽しかったです。そんな楽しい気分で早速上映された本作はこれまで以上にポップで明るいスパイダーマンであると同時に、キャラクターの引き立てが優れた青春映画とも言える。いまさらスパイダーマン誕生秘話をやるわけでもなく、アイアンマンと共演で15歳の若者の葛藤が鑑賞者を勇気付けてくれる。この新たなコンセプトのスパイダーマンはライミ3部作やアメイジングシリーズとは打って変わった成功例と言える。このポップなスパイダーマンは日本では賛否両論ありそうだがダークヒーローとは対照的なマーベルの新たなる傑作を見出した気がする。なぜ本作がライミ3部作と同等もしくは超えた最高のスパイダーマンと評されるのか。スパイダーマンというコンテンツはもはやマーベルは神格化されたものである。そして「シビル・ウォー」を見てわかるように、今回のピーター・パーカーは「人助けをしたいと純粋に思っている優しい少年」であるという事。トビー・マグワイアのスパイダーマンは「呪われた力を持つ責任」というまさに大いなる力には大いなる責任が伴うという名言、テーマを残した。ちょっと大人なピーターとは反対にこの「ホームカミング」は高校生活を楽しみ、まだ世の残酷さを知らないということ。まだヒーローになりきれてない、でも誰でもヒーローになれる、誰がヒーローになってもおかしくないという元気の出るメッセージをこのスパイダーマンは教えてくれる。正直「アメイジング」よりも真っ当な高校生活、キャラクターの引き立てが優れている。友情、恋愛、学園生活とスパイダーマンとしての戦いをバランス良くして妙なしんどさを無くすことに成功している。しかもスパイディースーツはトニー・スターク製作なだけあり、ガジェット使用や超ハイテクスパイダーマンを楽しむことが出来る。会場は大ウケ、コメディとも取れるが少年の苦悩のドラマである。とにかくキャストが素晴らしい。トム・ホランドは表情が可愛かったり、いきなりクールになったり、すごく若々しいピーター・パーカーなのが印象的だった。そして今回ヒロインのリズ・アラン、ミッシェルを演じたゼンデイヤとローラ・ハリアーの両者はそれぞれキャラクターの位置が定まってて面白みがある。ピーターの友達、およびスパイダーマンの補佐をするジェイコブ・バタロンは凄く好きになれたキャラクターの1人。めっちゃセクシーなメイおばさんを演じたマリサ・トメイはさすが名女優。ここ最近鳥を演じることが多いマイケル・キートンは労働者階級という悪役位置なのですごく共感できるキャラクターで一概に悪役とは言えぬ鳥人ヴァルチャーはベテランならでは。バットマンだった男がいまやヴァルチャーである。ウェブシューターの多機能性も凄いがアクションはソフトな印象。派手過ぎず、あくまでスパイダーマンを主に展開していくがロバート・ダウニーJrの食いっぷりはすごい。脚本の上手さもあるだろうが、監督に抜擢されたジョン・ワッツは一言で表すならソフトで即興性を備えている。アメコミには新鮮だろう。
総評として、「スパイダーマン: ホームカミング」はMCUでも上位に入る面白さである。まるでアニメのようだが実写でしか表現できない明るい部分を上手く引き出せている。鑑賞前は「これはこれでいいスパイダーマン」という評価で落ち着くのだろうかと考えていたが、「スパイダーマン:ホームカミング」は大好きなスパイダーマン映画の1つになったといえる。ここまで来てるなら音楽はもとひと声欲しかったが、満足です! 最後に関ジャニのファンて凄いですね。あんなダッシュしたり……楽しそうでした笑。
今年のアメコミ作品はどれも異常に高評価が続いているので、この夏はMCUもDCUも外せない。新たなスパイダーマンをぜひこの夏に楽しんでほしい。
TEPPEI

TEPPEI