群青

スパイダーマン:ホームカミングの群青のレビュー・感想・評価

3.9
2017年劇場鑑賞映画33作目。
IMAXレーザー3D字幕で。


MCU16弾目は満を辞してのマーベルヒーロー。
ビールの〜谷間のくらや〜みに〜(スパイダーマァン!)
というヤツではないが、デザインは今までで一番東映っぽいスパイダーマンでした。

最初シビルウォーでお披露目した時はなんだこのアニメチックなデザインは!アメスパ2のデザインが至高!と思って(今でも一番好きなデザインはアメスパ2)いたけど、これはこれで良かった。
てかアメコミに関しては映画が好きなだけでいずれも原作の漫画は読んでないのでデザインがどうとか言える立場ではないのだがまあまあ好き嫌いってやつですよ。(パンフレット読んでたら原作初期なデザインみたいですね)


ブレックファストクラブのような青春モノを意識したそうだけど、同じように意識したパワーレンジャーには及ばず、また観た後にサム・ライミ版と重なる部分が多かったなと思ったけど、かといってサム・ライミ版に迫るほどでもない、という微妙な感じが正直なところ。
でもそれは決して悪いところだけではなくて、童貞感丸出しでウジウジしていたサム・ライミ版よりかなり爽やかだったし、オタクらしさ全開のマーク・ウェブ版より深く、でもティーンらしさを出していたので、いずれの世界線とは違うスパイダーマンが観れて良かった。
正直一番ティーンらしさがあった。


トニーに誘われたからアベンジャーズに入れたと思いつつ正式加入じゃないから、アベンジャーズ入れてアピールしたり、好きなあの子のためという少々いやらしい理由でスパイダーマンスーツを着るか迷ったり年相応の可愛らしい悩みで好感が持てた。
敵との戦いでも無駄口をかましたり(ただし本人の余裕がある時だけ)、普段でもまくしたてるような早口で話したりオタクっぽさもすごくあった。

今まではスパイダーマンということを誰にも知られてはいけないため、秘密を1人で抱え大変な思いをしていたが(それが良いところでもあったけど)、今回は大前提として先生的な立場のトニーがいるし、なにより親友ポジションのネッドがいるところが違う。このネッドとの友達掛け合いが、ヒーローになったばかりの新米らしさ溢れ、一般人である俺たちに一番近いヒーローであることが伝わってくる。

だから今作はスパイダーマンになってる時も楽しいけど、そうでない時の高校生活がとても楽しいのだ。

高校生としての表の顔を持つピーターがネッドにだけは秘密を教える。キャップの盾をとったんだ(一瞬でアントマンに奪い返されたのに3回も自慢するところがあるところを見ると、相当嬉しかったに違いない笑)って告白したり、トニー御用達のスーツを着させてあげたり。


でもなんで学園ヒエラルキーの上のような感じがする高嶺の花リズと同じクラブに入っており、しかもそれなりの存在感を示していることや、いじめる側のフラッシュも同じクラブにいることの説明がなかったのでちょっと残念なところ。


ヴィランも今までの敵とは違う。
他の世界線ではコウモリ男として街を守ったり、ある世界線では娘に嫌われ劇を成功せることしか頭になくなった鳥男や、現在進行形の世界線では、世界で最も有名なファストフードを成功させる男になっていたりなど、話題が事欠かないマイケル・キートンがヴァルチャーを演じている。彼のキャラは大人なら少し共感できるかもしれない。もしかするとこうなる道もあったかもしれない、という道の先を進むしかなくなった男だった。色々な役を演じそれを一つ一つシワに刻んできた彼の顔はまさにヴァルチャーそのものだった。


アクションとしては今までと比べてスピード感があって3Dだと正直目が追えなかったので2Dでじっくり観たいところ。しかしこの部分はもう今までのスパイダーマン観てきたあなた達ならわかるでしょという主張だと思う。しかし、パンチとかキックのアクションがないのがもったいなかった。糸をシュッシュッってやってるだけだったかなあ。

あとは、トニーの役所が薄かった。2や3、ウルトロンの騒動といい、シビルウォーといい、敵の原因を自らが作ってしまっていたトニーだが、今回の敵も例に漏れずトニーが原因。
スパイダーマンホームカミングにトニーが出てくることがわかった時点で、てっきりピーターの成長物語である共に、シビルウォーで懲りて部下の育成に奮起していたが、天才が故か教えたり導くのが爆裂に下手で、そういうところに四苦八苦しながらもメンターとしての自分を成長させるトニーの物語でもあると思っていた。
かと思っていたらトニーは要所要所にしか出てこなかった。
せっかくMCUにスパイダーマンが参加するんだから、サム・ライミ版とマーク・ウェブ版とも差別化を図るのにアイアンマンはうってつけだと思っていたのになあ。ここが一番やきもきしたかな。

終始楽しい!ハラハラ!したけど、自分で勝手に設定したハードルは超えるのが厳しかったような感覚だった。なんとも言えない笑

でも、これまでのMCUやスパイダーマンを知ってる人なら分かるニヤニヤがちゃんとあったので結果オーライという感じか。

吹替でもう一度じっくり観たい。藤原啓治さんも復帰したことだし。



とりあえずスパイダーマン、お帰りなさい!(ホームカミング)


次はマイティ・ソー バトルロワイヤル!
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