のん

スパイダーマン:ホームカミングののんのレビュー・感想・評価

3.9
メイおばさんが若い


果てしなく広がる様相を見せるマーベルシネマティックユニバースに、遂に大本命といえるスパイダーマンが参戦。


サム・ライミ版で3度、マーク・ウェブ版で2度の実写化を経て、3回目のリブートとなる本作は、トム・ホランド演じるピーター・パーカーの青春成長活劇ともいえる初々しさ全開の一本。



ビル群の合間をくぐり抜けていくスピード感ある映像が痛快だった過去のシリーズと比べると、アクションはあくまでも背景に徹していて、15歳のパーカーがヒーローとして目覚めるまでの描写に力を入れている。


演じるトム・ホランドは史上最年少のスパイディーを実に飄々と演じていて、トビーマグワイアの影のあるスパイダーマンとも、アンドリュー・ガーフィールドのストイックな佇まいともまた違う、新しい一面を見せてくれる。


「トランスフォーマー」と違い、リブートを重ねている分、マンネリ化を回避しているのも特徴的で、アベンジャーズの壮大な前振りをみせられている嫌いはあるものの、単独映画としても楽しめる。


妙にリアリティのある悪役なのがマイケル・キートン演じるバルチャーで、勧善懲悪なヴィランでなく、彼もまたアベンジャーズの戦いに巻き込まれた一市民であることを考えると、トニー・スタークの罪は深いなと感じてしまう。



ともあれ2時間20分の長尺を感じさせない娯楽大作に仕上がっていて、「シビルウォー」を予習しておけば、さらに楽しめること間違いなし。

ジョン・ファヴローはやっぱりいい。
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