しぇんみん

スパイダーマン:ホームカミングのしぇんみんのレビュー・感想・評価

3.8
半熟英雄成長譚:第一章。

物語は『アベンジャーズ』ニューヨーク決戦直後から始まる。

戦場跡地では、トゥームスをリーダーとする廃品業者が、放棄された「チタウリ」のメカの残骸を回収し、密かに残骸の一部を持ち帰っていた。

その8年後、チタウリの技術を解析した彼らは、ヴァルチャー・スーツを開発し現実のものとする。

その頃、ミッドタウン高校に通う少年ピーター・パーカーは、ヨーロッパを訪れていた。

スパイダーマンとしてトニー・スタークからスカウトされたピーター。

彼は、最新技術の詰まった新しいスパイダーマン・スーツを提供され、『シビル・ウォー』でのキャプテン・アメリカ一行との対決に向かっていた。

戦いの興奮冷め遣らぬ彼は、次の任務に向けやる気満々だが、特に大きな指令もなく、普通の学生生活を送りながら任務のことばかり考えていた。

トゥームス一味は、開発したバルチャー・スーツの力を使い、奪い取ったチタウリのメカを犯罪者に転売する商売を始める。

偶然、一味の取引現場に遭遇したピーターは、一味との戦いに巻き込まれていくのだった..。

本作はスパイダーマンの未熟な面が強調された物語になっている。

冒頭の自撮り動画シーンなど、ヒーロー同士の戦いに遭遇して興奮する子供そのもの。

ヒーローに憧れる夢見がちな少年は、やること為すこと半人前で失敗ばかりだ。

だがその未熟さが、親しみやすい「半熟ヒーロー」としてスパイダーマンを描くことに成功している。

まあその分、アクション面はこじんまりとしたものになってしまったのが残念。

また、シリーズに既に登場済みだからなのか、ピーターがスパイダーマンとしての能力を手に入れる描写を丸っと省略している点は斬新。

そこは、親友と二言三言交わした会話だけで完結しているのだ。

取り敢えず、『アベンジャーズ』シリーズには登場予定なので、今後の活躍に期待したい。

ハナマル!

2018/04/29
2021/07/04 一部修正
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