ひろぽん

劇場版 弱虫ペダルのひろぽんのレビュー・感想・評価

劇場版 弱虫ペダル(2015年製作の映画)
3.5
劇場版『弱虫ペダル』3作目

小野田坂道たち総北高校の自転車競技部のメンバーが熱きインターハイを終え、次に参加するレースは「火の国」と呼ばれる熊本の阿蘇山でのレース。1年目の坂道たちが3年生と走る最後のレースとなり、インターハイで活躍した強豪ライバルチームと「火の国熊本レース」で競い合っていく物語。


インターハイ優勝直後のお話ということで、原作との兼ね合いでどうしてもインターハイよりは盛り上がりには欠けてしまうもののストーリーがコンパクトにまとまっていて十分楽しめる内容になっている。

3年生と走れる最後のレースであり、坂道の憧れの先輩である巻島がイギリスに留学するためレースに参加できないという知らせを直前に受け落ち込む総北メンバー。どうやって気持ちを維持したら良いのか分からない坂道たちの葛藤が描かれる。

今作の話の主軸は総北高校を支えてきたエースクライマーの巻島が不在の中どうやって戦っていくのかというのがメインストーリー。

イギリスから帰国した巻島がレースの2日目から参加し、最下位からのスタートで総北メンバーが協力して上位へと押し上げていく絆がとても良かった。『ラブヒメ☆恋のヒメヒメぺったんこ』を総北メンバー全員で歌いながら駆け上がっていく姿は、何度見ても笑ってしまうくらいパワーがあって面白い。自転車競技を始める以前は孤独だった坂道の趣味をみんなで共有して受け入れる姿を見ると感動してしまう。

巻島が参加しないことを嘆いていた箱根学園の東堂と巻島のライバル同士のクライム対決は最高だった。お互いに競い合い、実力を認め高め合ってきたライバル同士の2人の勇姿を見るとスポーツの良さを最大限感じることができる。


毎度の事ながら選手がいちいち自己紹介で自分の名前と付けられた異名を自慢げに語り出すのは冷静に考えると面白すぎる。

圧巻のレースは迫力満点でハラハラドキドキの展開が続いて見応えがあるし、団体スポーツだからこそ感じられる友情や絆、思いやりなど、心を熱くしてくれる要素が満載で面白い作品だと思う。初見向けというよりは、原作やアニメを追っている弱ペダファンに向けた作品なんだと思う。

大好きな巻島が主役の回だったから尚更良かった。
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