ホイットモア大統領

ディストラクション・ベイビーズのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

3.8
柳楽くんの行動は全く理解できないし、取り巻く奴らもクズばかりなのに、何でか力強い演出に引き込まれていく。

この世界・社会に対し、フラストレーションを募らせている若者たちが、それを壊さんと発散させていく姿を描く本作は、
エンターテイメント性を削いだ『太陽を盗んだ男』と言い換えられるからか。

また、SNSが当たり前となり、横との繋がりが太くなった世界に生きる若者は、自己顕示欲を満たすための方法が多様になったことで、異常性が増しているのかもしれない。
それらの点で、脚本家の喜安浩平氏は、『桐島、〜』といい、本作でも若者世界をリアルに綴っている。

つまりこれは、現代社会への警鐘であり、
単に面白い・痛々しいでは片付けられないテーマを内包していると思った。