KouheiNakamura

バーニング・オーシャンのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

バーニング・オーシャン(2016年製作の映画)
4.0
バーニング企業。


2010年、メキシコ湾沖で発生した海底油田爆発事故の顛末を描いたパニック映画。
ピーター・バーグ監督とマーク・ウォルバーグの「ローン・サバイバー」コンビが再びタッグを組んだ力作。

一部で退屈だと言われている前半部分にこそ、この映画のキモだと思った。上司・中間管理職・現場の作業員たちが目まぐるしく専門用語を話しながら日々の業務をこなしている場面が前半の大部分を占めるのだが、ピーター・バーグ監督らしい緊迫感に満ちた演出が水面下の異常事態に気づかない彼らを魅力的に描き出している。いや、大半の職員はひょっとしたら無理な仕事をしていることは気づいていたのかもしれない。しかし、掘削期限が大幅に遅れていることを憂慮した上層部の判断には逆らえない。安全性を無視したテストの先に待ち受けていたのは…想像だにしない大惨事だった。

正直な話、この事件のようなことはどんな会社でも大なり小なり起きているわけで。事なかれ主義、利益優先で築かれたものはいつか必ず崩壊する。
丁寧に職人たちの緊迫したやり取りを見せる前半部分に対して、後半は映画的な見せ場の連続。とはいえ事実を基にしているぶん、ドラマチックな盛り上げ方はほとんどないので好みは分かれるかと。

個人的には久しぶりに手に汗握ったドキドキの一本でした。オススメです。
KouheiNakamura

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