mimitakoyaki

ATARI GAME OVER アタリ ゲームオーバーのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

4.0
インフルエンザで出勤できないので、家でできる仕事をちょっとやりつつ、中3の息子に頼まれて借りたこのドキュメンタリーを軽い気持ちで見てたのですが、いやこれ、ゲームに全く興味のない自分でも結構おもしろかったです。

息子はなぜかしら昔のものに憧れが強く、あたしの父親からスーファミだのゲームボーイだのをもらって、とても愛用している変わり者でして、DS持ち歩くのはよく見る光景ですが、ウチの子はゲームボーイ持ち歩いてますからね、こないだもラーメン屋で待ってる間にゲームボーイやってたら二度見されたりとか、そんなんよくあるんですよ。
そんな子なので、ATARIの都市伝説についてのドキュメンタリーなんて、それはなかなかに食いついてくるわけです。

もちろんあたしはATARIなんて知らないのですが、1970年代から80年代初めにかけてアーケードゲームや家庭用ゲーム機を開発して大ヒットしたゲームメーカーなんですね。
その頃日本ではゲームウォッチとか流行ってて、まだファミコンもなかった時代だと思います。若い子知らんよねぇ。

ATARIって日本語っぽいって思ってたら、案の定、囲碁用語の「アタリ」から取って、会社のロゴマークもアタリのAと富士山をデザイン化したものなんですって。

その会社がワーナー傘下に入って、映画に便乗したゲームソフトをいろいろ作ってたわけですが、「E.T.」を作ったところ、あまりにも評判が悪く、売れなかったり返品も相次ぎ、大量の在庫が処理できずにニューメキシコの砂漠に埋めて、そこはゲームの墓場と呼ばれ、ATARIも倒産…という都市伝説を検証しています。

このE.T.はクソゲーのカリスマみたいになってるようですが、「たけしの挑戦状」に勝るクソゲーがあること自体驚きでしたが、このゲーム、通常なら半年以上かかるゲーム開発をクリスマス商戦に間に合わせるために、なんと5週間で作ったとのこと。

そしてこのゲームを開発したのは、それまでにヒットを連発してた天才クリエイターだったのですが、このE.T.の大失敗で、会社が倒産どころか、アメリカの家庭用ゲーム機市場を崩壊させたとも言われてて、その張本人がインタビューに答えてるんですね。

そして、ゲームの墓場という都市伝説は本当なのか、徳川埋蔵金みたいに本格的な発掘がなされるのです。

都市伝説の真相を追求する面白さと、出てくる人がみなオタクという面白さ(あ、学者やら経営者とかもいるけどオタクに見える)、ATARIやゲーム機の歴史にも触れてそれも面白いし、あたし的には、会社を崩壊させるほどの世紀のクソゲーを作ったとされるクリエイターの栄光と挫折、そして再生の物語としても感動できて、そんなところも面白く、1時間ちょっとの作品ですが、見所満載で楽しかったです。

息子も満足のドキュメンタリー作品でした。

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