リメイクじゃなければ良かったのに!
アントワン・フークア監督 2017年製作
主演デンゼル・ワシントン、クリス・プラット
100本目の記念レビュー\(^o^)/
やっぱり節目のレビューは劇場鑑賞作で。
この映画の場合、どうしてもオリジナルと比較してしまうなぁ。きっと、オリジナルを観ていない人は、もっと高評価なんだと思うんだよね。
この場合、僕が言うオリジナルとは「荒野の七人」を指しているんだけど、「荒野の七人」自体が「七人の侍」に倣っているのだから、ややこしい。
でも、「荒野の七人」は「七人の侍」を忠実になぞりながら、しっかりとオリジナリティを発揮していた作品で、それがオリジナルだと見紛うばかりの完成度。そう、西部劇として娯楽に振り切れていて、しっかりと映画が確立されていたんです!
今回の「マグニフィセントセブン」は「荒野の七人」のリメイクとして制作されているが、現代風な味付けもされている。特にそれは、7人の中にアジア人、黒人、ネイティブアメリカンなど、様々な人種が登場するところに現れているし、何より7人を探し求めに行く町の住人を女性にしたところが象徴的です。
そして、恐らくは「荒野の七人」ではなく、「七人の侍」をより意識して制作しているんだと思う場面もあるのだが、そうだとするとなおいただけない。「七人の侍」が伝えようとしていた次元には残念ながら到達していない。
あの、「七人の侍」のラストシーンに描かれた農民の強さ、逞しさは今作からは微塵も感じられない。
でも、映画としては、すごく良く出来ていて、とても面白かったのです。久しぶりに本格的な西部劇を観た気がしました。そこは素直に嬉しいです。
風景も素晴らしいし、セットもよく出来ています。いかにも西部劇という雰囲気にウキウキしました。オープニングのボーグの悪党ぶりも良かった。
特に、中盤以降のボーグたちが攻め込んできた以降の流れは、本当に息付く暇がないほど。あれこれ考えることなく、素晴らしいアクションに感動し、映画にものすごく集中していました。
主演のデンゼル・ワシントンはユル・ブリンナーや志村喬に劣らぬ存在感を放っていたし、達人ぶりも素晴らしく、特に馬に乗りながらのガンファイトには痺れました。
ただ、個人的な恨みが動機として描かれたのはがっかりしたなぁ。僕としては、お金の問題ではなく、無償の愛により戦う姿が好きだったので。
また、イーサン・ホークは良かったなぁ。チャールズ・ブロンソンに負けない雰囲気を醸していました!分かってはいたけど、戻ってきた時は拍手喝采でしたよね\(^o^)/
クリス・プラットはスティーブ・マックイーンの立ち位置の役どころで、ギャンブラーとしてのカードさばきやガンさばきなど、見どころが多かったです!頑張っていました!
そうなんです、本当にどこも良かったんです!
だからこそ、前半部分が気になるんだよなぁ。
動機の描き方や申し出を引き受ける過程。仲間が増えていく面白みなどが、全然伝わらない。ちょっと生真面目過ぎたか。「荒野の七人」のような軽妙さが欲しかった!
うーん、悩ましい!
もう1度言う。リメイクじゃなければ良かったのに!
So far, so good!