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マグニフィセント・セブンのtjZeroのレビュー・感想・評価

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)
3.9
『荒野の七人』をリメイクするなんて、「恐れ多いことを…」と思ってたけど、現物(本作)を観たら全然”アリ”👌だった。面白かった。

職人的アクション監督、アントワン・フークワの手腕を楽しめる。
このヒトの作品は単調になりがちではあるんだけど、今回は元々のお話が面白いので問題なし。
アクション・シーンが日中&野外なので、この監督の活劇演出の良さがハッキリ&クッキリと、わかりやすく堪能可能。

フークワ監督がアフリカ系ということもあって、今回はよりマイノリティに寄り添ったテイスト。
雇い主は女性だし、チームのメンツも、アフリカ系、アイルランド、メキシカン、東洋、先住民…と多彩な顔ぶれ。
資金力は乏しいけど、金貨、銀貨、銅貨…みたいに個性が明確な、寄せ集めの小銭軍団。
各々の”顔”がよく見える、民主主義チーム。

対する敵側は、豊富な財力によって、兵力&武力を揃えている。
札束みたいにぶ厚い軍事力を誇るけど、のっぺりしていて各構成員の個性には乏しい、資本主義チーム。

われわれ庶民は普段、勤める会社とか、ライバルの大企業とか、”資本のチカラ”に煮え湯を飲まされることが多い。
コロナで真っ先に潰されるのも、中小企業だしねえ…。
現実では”民主”が”資本”に勝つことはほとんど無いけど、だからこそ本作のような”柔よく剛を制す”フィクションは爽快で、カタルシスをもたらしてくれるんだろう。
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