KouheiNakamura

マグニフィセント・セブンのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)
4.3
彼らこそ、崇高だった。


「七人の侍」、「荒野の七人」のDNAを受け継いだ西部劇。監督は「イコライザー」、「トレーニング・デイ」のアントワン・フークア。デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンら豪華キャストが新たな7人を演じる…。


やはり西部劇は劇場の大画面で観るに限る…。とはいえ、もはや西部劇をスクリーンで観られるのは年に数回あるかないか。そんな中、久しぶりの新作西部劇。しかも荒野の七人のリメイク!と聞けば胸踊るのは普通だろう。
オリジナルは数年前に観た記憶がある。当時の大スターたちがスクリーン狭しと暴れまわる、痛快な娯楽作だった。七人の侍とはまた違う味わいがあって存分に楽しめた。そして今作、マグニフィセント・セブン。厳密に言うと荒野の七人には続編もあるのでこの二作だけを下敷きにしたわけではないのだろうが、いずれにしろ久しぶりの西部劇の大作だ。

結論から言うと、個人的には大満足な一本だった。まずはキャストが素晴らしい。荒野の七人とは違い、多種多様な人種のプロフェッショナル集団を完璧に体現する魅力的なキャストたち。クセの強いメンバーをまとめる人間力の持ち主、漆黒のガンマンにデンゼル・ワシントン。実写版ジョセフ・ジョースターか!と言いたくなる、飄々としたギャンブラーにクリス・プラット。キメキメでキレキレのナイフ使いにイ・ビョンホン。下山してきた最強の熊男にヴィンセント・ドノフリオ。(登場シーンの愉快さがたまらない。)笑顔一発で分かるナイスガイ、マヌエル・ガルシア・ルルフォ。佇まいと表情で魅せるインディアン最強の戦士、マーティン・センズメアー。
そして個人的にイチオシの心に傷を負った伝説のスナイパー、イーサン・ホーク。彼の枯れた味わいある演技と時折見せる茶目っ気にやられてしまった。(親父の話をする場面が最高!)
と、キャストの話だけでもこれだけ語れてしまうわけだが。この映画の魅力はこれだけではない。
フークア監督お得意のアクションシーンはど迫力で、かつ軽くない重厚さを備えている。西部の美しい大自然を堪能できる撮影に、超有名なテーマ曲をここぞ!というタイミングで流す音楽。とにかく楽しい映画に仕上がっている。

オリジナルの荒野の七人を観ていた世代だけではなく、幅広い世代に観て欲しい一作。オススメです!
KouheiNakamura

KouheiNakamura