マヒロ

アルタード・ステーツ/未知への挑戦のマヒロのレビュー・感想・評価

3.5
自らを被験体にし、人間のトリップ体験に関する実験を行っている主人公が、やがて人類の起源にまで関わる壮大な世界を覗き見ることになる…というお話。

あらすじ書いてて自分でもよく分からなくなってきたんだけど、トリップを題材に描いているからか、映像もストーリーもドラッギーで不安定で奇妙な雰囲気に包まれている。一昔前の小慣れてない合成映像が、逆に世界から浮いててより気味の悪い感じ。

最初は、ちょっと変わり者の学者が秘境に行ってフシギなキノコでラリったりする様を、前述の奇妙なトリップ映像と共に見せられるシーンが続くんだけど、そこから徐々に様子がおかしくなっていく。

無理くり例えるなら『2001年宇宙の旅』のような、もしくは『ザ・フライ』のような、なんとも形容しがたいヘンテコな展開を見せる。『2001年〜』にもトリップシーンのようなものはあるし、今作の真っ黒で無機質な実験用水槽はモノリスのよう。何より、人類の起源に到達してしまうというストーリーは言わずもがな。
『ザ・フライ』的要素はどこか?…というと一番面白いところを明かさなければならないのでなんとも言いづらいんだけど、あの映画のように、ぐちゃぐちゃの地獄絵図の果てに、なんとなく良いもの見せられたかのような静かな感動があることは確か。
…なんとなく煙に巻かれてる気もしなくもないが、少なくともそれほどのパワーのある映画ではある。

(2017.130)
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