マーティン・スコセッシが40年経て新たに紡いだ、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテル、4人のラスト・ワルツのようだった。ルーツの響きがたちこめ、粒ぞろいの個性をぶつからせることなく見事な調和をもって奏でられていた。テンポの良さは逸品。アメリカ人なら笑えたのに！というユーモアが口惜しい。
トラックドライバーから裸一貫成り上がった男の栄華と零落。仕事のパートナーのため走り続けた男の終焉に、がむしゃらに働き続けた答えはあまりに遣る瀬無い。娘の軽蔑した視線を飲み込む。男の見落としたものは、命をかけただけの価値のある仕事だったのかは本人にしかわからないのだ。
オリジナルスコアはロビー・ロバートソン。だってこれはラスト・ワルツなのだから。
