ふしみあい

20センチュリー・ウーマンのふしみあいのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
4.5
マイクミルズ監督のお母さんをモデルに描いた母と息子と周囲の変な人たちの数年間の物語。

母子を中心として、周りを取り巻く面々がすごく面白い。
一つとしてキャラが被っているところはなく、性別も年齢も様々。

思春期の息子の生きる手助けになってほしいと二人の女性に助けを求めるドロシア。

本当に助けが必要なのは彼女ではないのだろうか。気絶ごっこなど危険な遊びやわからない音楽を聴く息子の理解に苦しむ。

一方、夫と別れたのに他に恋人も作らず、タバコばかり吸っている母親が理解できない息子。

そして、病気によって傷つき、居場所をなくしたフォトグラファーのアビー、親がカウンセラーのためカウンセリング強制参加、でも自身は薬もタバコもセックスも経験済みの17歳、ジュリー。
オーガニックを愛し、来るもの拒まずのウィリアム。

この5人で奇妙な家族のようなものを形成して暮らしている。
そして小さな事件がいくつか起こる。そういう些細な、でも確かに人生においては起こりうる事件。
なんとか立て直そうと、良い方向にしようともがく。

言葉のチョイスとか、透明感のある映像とか、ちょっと独特なファッションとか、すごく好き。
みんな着たいものを着ている。

映像めちゃめちゃかっこいいなと思ってたらグリーンルームの撮影監督だった、どおりで!

色々なものから解放されてキラキラ輝いてる母親のカットで泣きそうになった。一人一人の人生、うまく言えないけど確かにキャラクターがそこには生きていた。