ひろぽん

四月は君の嘘のひろぽんのレビュー・感想・評価

四月は君の嘘(2016年製作の映画)
3.7
母の死がきっかけでピアノが弾けなくなった天才ピアニスト有馬公生は、バイオリニストで自由奔放な宮園かをりに惹かれていく。この出会いをきっかけに、ピアノと母との思い出に向き合っていく公生。そして、かをりもある秘密を抱えていた。お互いの才能を認め成長していく様子を切なく恋模様を織り交ぜ描く物語。


原作未鑑賞。

幼少期にヒューマンメトロノームと称された天才ピアニストの有馬公生は、母の死をきっかけにピアノの音が聞こえなくなってしまい、ピアノをやめて何気ない高校生活を送っていた。

ある日、楽譜を無視した自由奔放な音色を奏でるバイオリニストの宮園かをりと出会い、公生は再びピアノを始めるキッカケを得る。

音楽をやっている同世代の人なら誰しも名前を知るほど有名人だった天才有馬と、いつもパワフルで音楽を楽しむ天真爛漫なかをりとの儚く切ない恋の物語。

消えてしまった天才の再起と、不治の病に苦しむ少女の不思議な出会いが素敵。お互いが影響を与え合い相乗効果で良い方向へと向かっていく明るくなれる物語は結構好き。

数年ぶりにピアノを弾くも問題なく弾けてしまうのは、幼少期からピアニストだった母から受けた英才教育でめげずに頑張った努力の賜物なのだろう。

メインで登場する4人の登場人物のキャラや関係性も羨ましいくらい青春してて良かった。公生に思いを寄せる幼なじみの椿の気持ちを考えるとなんか切ない…

江ノ電や鎌倉、藤沢などの海の見えるロケーションが心地よかった。中でも稲村ヶ崎公園の辺り一面を見渡せる景色のシーンが素晴らしかった。

終盤になり明かされていくかをりの想いが切なく胸が熱くなった。ラストは逆にちょっとあっさりしすぎててびっくり!

原作ファンからは酷評みたいだが、個人的には嫌いじゃなかった。少女漫画を3次元の世界で再現するとやっぱり言い回しや展開に違和感を感じる部分があるな。

劇中のピアノやバイオリンの演奏はとても心地良かった。審査員はブツブツ自分の心境を喋りすぎな気がする。長いストーリーを凝縮させ過ぎたんだろうなと思う。ちょっと複雑な家庭環境そうなのにその辺の説明がなされてなかったからモヤモヤが少しばかり残る。
ひろぽん

ひろぽん