エイガスキー

ガールズ&パンツァー 劇場版のエイガスキーのレビュー・感想・評価

4.0
テレビアニメガールズ&パンツァーの劇場版。劇場アニメでは異例のロングランヒットを記録した。

シリーズものの映画化について回る「初見でも楽しめるか」問題。この作品も例に漏れず、劇場では申し訳程度のシリーズの説明があったが、キャラクターの多さや学園十色のカタルシス等、個人的にはやはりシリーズを見ていないと楽しめないと感じた。そもそも「絶対に人が死なない戦車戦」という大前提を受け入れるのに時間が必要な人もいるだろうし。

ストーリーは蛇足的な面はあるものの、映像や音のクオリティが高いおかげで見ていて楽しい。特に戦車の描写への異常とも言えるこだわり。地面に接している時の履帯と戦車が空中を飛んでいる時の履帯の動きに確かな「重さ」を感じる。発進時とブレーキ時の荷重移動、巨大弾頭の着弾の「やばい」感等、作り手のこだわりが伝わってくる。その割にはいくら軽いとはいえ、敵戦車の砲撃で吹っ飛ぶ軽戦車等「え?」と思う描写もしばしば見受けられるが、まあシリーズを見ていれば気にならない。

テレビシリーズが終わってからだいぶ時間が経つが、今でも大洗で開催されるあんこう祭は作品のファンによって大盛況に終わることから、作り手の熱意に呼応した作品のファンの熱意を感じる。

でも最終章は地上波での放送にしてほしかったなあ。

ミリタリー×萌えが定番化した昨今、そこに「スポ根」を足したことで作品にドラマが生まれ、可能性を示した。