あーさん

ボブという名の猫 幸せのハイタッチのあーさんのレビュー・感想・評価

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猫&音楽好きのフォロワーさんにオススメされていたのを、先日やっと鑑賞🐈🎸

これは、、
思っていた以上に良作だった!

実話が元になっているのでストーリーは
先が読めてしまうのだが、実話らしくそこに至るまでの過程がとてもリアル。
そして、心温まるたくさんのエピソードに、苦しくても前向きに頑張ろうとする主人公を誰もが応援したくなる!

ジェームズ・ボーエン(ルーク・トレッダウェイ)は売れないストリートミュージシャン。両親が離婚後、自暴自棄になって薬物に手を出し、それ以来親とも疎遠になり、ホームレスの底辺生活から抜け出せずにいる。
薬物依存治療の面倒を見てくれているカウンセラーのヴァル(ジョアンヌ・フロガット)の働きかけで何とか住む家を手に入れ、心を入れ替えてまともな生活をしようとするのだが、路上で歌うジェームズに道行く人々の目は冷たい。。

そんな時、出会った一匹の猫。
たまたまジェームズの家にふらっと入ってきたのだったが、その後ケガをしたその猫をなけなしのお金をはたいて助けたことで、強い絆が生まれる。

そして、ある日ボブと名付けたその猫がたまたま路上で歌うジェームズについて行った所、"かわいい♡"と評判になり、たちまち人気者に♪

隣人のベティ、バスの乗務員の女性、ビッグイシュー販売店の女性、ストリートで出会った親切な女性…(助けてくれるのは皆女性で、堕落させたり足を引っ張るのは男性ばかり…💦)、そんな出会いを重ねるうちに明るくなっていくジェームズ。
彼はボブと一緒にいることで、着実に味方を増やし、人生は好転していくのだった。

しかし、、
薬物依存との闘いはやはり一筋縄ではいかず、ジェームズが更生する為には並々ならぬ努力が必要とされる。
が、そんな時もずっとジェームズに寄り添ってくれたのは、猫のボブだった。
飼い主と猫は一蓮托生。
ジェームズを幸せへと導いてくれたのは、ひとえにこの猫=ボブの力ではないだろうか。
誰かと一緒にいる安心感。それは人でなくても良かった。ボブは大きな大きな力となってジェームズを支えてくれた。
ボブのお陰で自分を取り戻したいと強く願い、そのことが彼に厳しい試練を乗り越えさせた!!

ベティ役のルタ・ゲドミントスが濃いメイクに奇抜な格好なんだけど、とてもかわいらしくて好き。
ジェームズとお似合いだと思ったらプライベートでもカップルらしい♪

薬物依存の深みにはまり抜け出せないでいる人達のことは、遠い世界の出来事だと思っていたけれど、今作を観て他人事だと
思えなくなった。孤独と人の弱さ、、その隙間にすっと入ってくる薬物の恐ろしさ…。

いつも気になりながら、素通りしてしまうビッグイシュー(ホームレスの人などの自立を支援する雑誌)を駅で売る人の前。
今度、勇気を出して買ってみようかな。。
より勇気を出しているのは、買う方ではなく売っている人の方だなと。

同じ地球の上で起こっていることに無関心ではいけない、と改めて思った。


ジェームズ役のルーク・トレッダウェイは以前双子の弟とバンドを組んでいたらしく、いかにもミュージシャン役にぴったりだった。
どん底の時は暗い感じで歌詞も後ろ向きなんだけれど、ボブと出会って明るくなってからは声にもハリが出て、前向きな内容になっていく。
バスで巡るロンドンの街も素敵。。

猫と音楽好きには堪らない作品だった!


*今作のボブくん、実際のボブが演じていると知ってびっくり!演技派のめっちゃイケネコで、うちの飼いネコ(♀)は一発で惚れてしまうやろうなぁ、、と思った😸


後日談♪

年末に母と大阪の淀屋橋を歩いていた時、、ビッグイシューを売っている人を発見!その日はちょうどクリスマスだった🎄今だ、買うしかない!と決心して、ビッグイシューを手にした私。。
その表紙はボブ君!😼
そして、この映画の特集記事も。
なんという偶然♡
立ち去る私に "お気をつけてお帰り下さい" と、その人から温かい一言。
私は、ちょっとしたクリスマスプレゼントをもらったような気持ちになって、足取り軽く帰路に着いたのだった。。

とても素敵なご縁だった!
あーさん

あーさん