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ニューヨーク 眺めのいい部屋売りますのKamiyoのレビュー・感想・評価

3.5
2014年 "ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります"

アメリカのロングセラー小説にほれ込んだモーガン・フリーマンとダイアン・キートンが、夫婦役で初共演を果たしたドラマ。

ニューヨーク・ブルックリンのアパートメントの最上階に新婚以来暮らしている画家のアレックス(モーガン・フリーマン)と妻のルース(ダイアン・キートン)。
眺めも日当たりも良く、最高の物件なのだが、エレベーターがないため、アレックスも年齢的に5階までの道のりがきつくなってきた。
そんな夫を気遣い、この部屋を売ることを決断したルース。
妻の考えに承諾したものの、本当は家を売りたくないアレックス。
結局、部屋は売りに出すこととなり
部屋とはその住人の内面世界の表れであり、その人が生きた証。
室内に入った瞬間、その香りが視覚的に伝わってくる見事な美術、
そして部屋から望む風景もまたこの映画の宝物というべき素晴らしいものだった。
アレクッスとル-ス夫婦は特別な人ではなく、どこにでもいそうな男女であるが、黒人と白人の夫婦で彼らが普通夫婦を、それを演じたことが
監督が言いたいことかもしれませんね…
モーガン、ダイアンの手にかかると、わざとらしくなく、
いかにも自然で普通の生活を切り取ったかのように見せてくれる。
若き日のアレックスとルースの出会い、
2人が愛し合うようになる経緯等が時折回想シーンで描かれてゆく。
それらの時代は今から40年前。丁度ベトナム戦争が混迷を極め、
黒人と白人の結婚には偏見があり
ル-スは母親との会話で歓迎されない事に怒りその場を立ち去る場面がある
僕は母親の心情が良くわかる、その後どうなったのかな思う
その場面が印象に残る

ニューヨークの街をダイアン・キートンが闊歩するのは嬉しい
やっぱり彼女にはニューヨークの街が良く似合うし、
知的なイメージのあるキートンが
ニューヨークにいる光景は実に心地よい。
ダイアン・キートンのセンス、着こなしは素晴らしい。
特に帽子。「アニー・ホール」からちっとも変わっていない。
モーガン・フリーマン。「ドライブイング・ミス・デイジー」以来、久々にしみじみとした役柄を演じている。何よりもこの二人の競演が楽しませてくれる。
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