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帰ってきたヒトラーのぜんのレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
3.5
【独裁者ヒトラーが現代にタイムスリップ】

「最初はみんな笑っていた…」

カリスマ性があり、明確な言動から
国民を正しい方向に導いてくれると。

現代にタイムスリップしたヒトラー。
彼がかつて歴史を揺るがした張本人であるとつゆ知らず。
そっくりな言動と風貌だと国民は思う。
全国を巡り、Twitter、YouTubeなどネット社会の現在。彼は瞬く間にお茶の間の人気者に。
そう。ヒトラーそっくりな"モノマネ芸人"として。

次第にドイツ中にヒトラーの思想が広まっているが、国民は真に受けていないようだ。

作品の中でブラックユーモアと捉えられる部分がある。
こういったシーンに関して人によって受け取り方が違う。
当時生まれてもいない、歴史を知らない人にとっては、魅力的な人物に映り、コメディ映画と思うだろう。
だが、歴史を経験して理解している人間にとっては、不気味で笑えないところが多い映画だろう。

ヒトラー死後75年。
今では歴史を語り継ぐことが出来る人間は少ない。
だが知っておく必要があると思う。
第二次世界大戦期にアメリカはディズニー映画を用いた。
プロパガンダにより敵国はどこかといった、思想を自然の内に伝搬させた。
現在はネット社会によりプロパガンダを行うためのツールが増えてきている。

歴史を知らずに楽観的でいると
歴史は繰り返されるのかもしれない。

でもヒトラーの人を惹きつける話術は勉強になります。
全員が無言になる静寂を作って話始めること。
言葉と言葉の間、発言の抑揚。ジェスチャー。

ヒトラーが夢である画家になっていたら
どういう未来になっていたのであろう。
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