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ジョン・F・ドノヴァンの死と生のkのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ドランにしては、非常にわかりやすいプロットに若干の迷いはありましたが、やはりドランはすごいな、と。

本来は、2018年のカンヌに出品するはずだったのが、ドランが再編集を希望し、結局出品しなかった作品。日本公開までの2年間、実は密かに楽しみにしていました。もしかしたら、是枝さんがパルムドールを獲れたのは、ドランがいなかったから? とも言われているとか、いないとか。

予告編は、入念にチェック。予告編冒頭、ドランの実体験をもとに作品を作ったとのコメント。なるほど、パーソナルな作品ならば、こらも同性愛がテーマか、と高を括っていると、実は親子愛の物語でもあったんですね。

とは言え、ラストの「マイプライベートアイダホ」のオマージュは、直球すぎて笑っちゃったなぁ。オチもそうだけど。

今作は、対話の連続。
「たかが世界の終わり」で確立したクローズアップの手法が存分に活かされていました。ただのカットバックなんだけど、クローズアップのみでつないでいきながら、配置と状況はしっかり引きを入れて説明していく。ナタリーポートマンにこんなに接近して大丈夫? となるほどの至近距離。印象的だったのは、終盤ルパートの部屋でのナタリーとの対話の場面、ナタリーの少し後ろから横顔をクローズアップでとらえたショットの美しさと、バリエーションの意外性がその時のわたしには衝撃的でしたね。基本的に横位置で捉えながら、顔の陰影を際立たせた絵作りでしたが、あのショットの陰のバランスが最高でした!息子を憂い心配する気配すら漂うベストショットです。

でもなー、「スタンドバイミー」で萎えちゃったんですよ。ラストに「マイプライベートアイダホ」のオマージュをいれたかったから、無理やりリヴァーフェニックスつながりでやったのかなぁ。ちょっとあれは笑っちゃうなぁ。
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