みっちゃん

あやしい彼女のみっちゃんのレビュー・感想・評価

あやしい彼女(2016年製作の映画)
3.7
2022.2.18

多部未華子を観る映画。
はつらつとして可愛い。

倍賞美津子演じるカツ“おばあちゃん”が若返ったら、多部ちゃんだった。
心(思考)はカツのまま、体だけが若返るファンタジー。
毒舌で厚顔無恥な憎まれおばあちゃんが多部ちゃんに宿ると、あら魅力的、となる。
そして、笑わせてくれる。

女手一つで娘(小林聡美)を育て、孫ができてからは孫の世話をしてきて、
やりたいことができなかったと常々言っていたカツは、節子(多部ちゃん)と名前を変えて、
孫のバンドのシンガーとなり、人生を楽しむようになる。

節子の歌う昭和歌謡が沁みる。
『見上げてごらん夜の星を』
『悲しくてやりきれない』
カツの生きてきた過去を思うと、憎めなくなる。
どんな年寄りにも若い頃があったんだよね。
自分が年を取って分かることだけれど、若い頃は親や年寄りの若い頃なんて想像できなかった。

それにしても、母と娘は難しい。
カツは平気で「あんたのせいで人生をあきらめた」と言うし、
娘はその言葉に傷ついて反発して声を荒げる。
言わなくてもいいことを言い合う。
なんだかね、身につまされた。
しかし、ラストはちょっと甘いな、現実はそうはいかない。
人情映画だから仕方がないけれど。笑

いちばん泣いたのが、子育て中のママさんを節子が労わるシーン。
こんなふうに応援してやれたら、虐待も減るだろうか・・・

一昨年お亡くなりになった志賀幸太郎さんがカツの生涯の友人役。
ラストに微笑ましいサプライズが。

要潤ってやっぱり王子様キャラだなあ。
倍賞美津子、小林聡美はさすがと思う。
このマスカラ美魔女は?と思ったら、金井克子。
バンバンババンバン、チャラーラララ。

楽しくもせつない、せつなくも楽しい作品だった。
みっちゃん

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