2022.2.18
多部未華子を観る映画。
はつらつとして可愛い。
倍賞美津子演じるカツ“おばあちゃん”が若返ったら、多部ちゃんだった。
心(思考)はカツのまま、体だけが若返るファンタジー。
毒舌で厚顔無恥な憎まれおばあちゃんが多部ちゃんに宿ると、あら魅力的、となる。
そして、笑わせてくれる。
女手一つで娘(小林聡美)を育て、孫ができてからは孫の世話をしてきて、
やりたいことができなかったと常々言っていたカツは、節子(多部ちゃん)と名前を変えて、
孫のバンドのシンガーとなり、人生を楽しむようになる。
節子の歌う昭和歌謡が沁みる。
『見上げてごらん夜の星を』
『悲しくてやりきれない』
カツの生きてきた過去を思うと、憎めなくなる。
どんな年寄りにも若い頃があったんだよね。
自分が年を取って分かることだけれど、若い頃は親や年寄りの若い頃なんて想像できなかった。
それにしても、母と娘は難しい。
カツは平気で「あんたのせいで人生をあきらめた」と言うし、
娘はその言葉に傷ついて反発して声を荒げる。
言わなくてもいいことを言い合う。
なんだかね、身につまされた。
しかし、ラストはちょっと甘いな、現実はそうはいかない。
人情映画だから仕方がないけれど。笑
いちばん泣いたのが、子育て中のママさんを節子が労わるシーン。
こんなふうに応援してやれたら、虐待も減るだろうか・・・
一昨年お亡くなりになった志賀幸太郎さんがカツの生涯の友人役。
ラストに微笑ましいサプライズが。
要潤ってやっぱり王子様キャラだなあ。
倍賞美津子、小林聡美はさすがと思う。
このマスカラ美魔女は?と思ったら、金井克子。
バンバンババンバン、チャラーラララ。
楽しくもせつない、せつなくも楽しい作品だった。