みっちゃん

コーダ あいのうたのみっちゃんのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.3
2022.2.4

両親と兄妹の4人家族のうち3人がろうあ者。
父と兄は漁師で、ルビーも船に乗り込んで、通訳も兼ねて手伝っている。
歌うことが大好きで、気になる男子マイルズと同じ合唱のクラスを取った彼女は、音楽教師から音楽大学への進学を勧められるが・・・

この作品は確か、フランス映画「エール!」のアメリカ版リメイクのはずなんだけれど、「エール!」より泣いた。
でも誤解しないでほしいのは、決して泣かせようとはしていないこと。
BGMによる感動の押し付けがなくて、クールなのに、凄くいい音楽映画になっている。

父親の手話での下ネタをそのまま言語に通訳するルビーが健気。笑
色気過剰の母親は愛情にあふれているが、反面ルビーに依存しているのが見て取れる。
兄は漁師仲間になじもうとするが、ろうあであることを馬鹿にされて、切れる。
ルビーも家族に縛られていると感じ、反発することが多くなる。
問題ある家族を見ているとハラハラする。

しかし途中で気づくのだ、問題ある家族って?
マイルズは「僕の両親は変わっている」と言う。それぞれの家庭に問題はあるのだ。

耳が聞こえない世界ってどんなものなのか。
聞こえる者には理解できないと思っていた。
この映画にはそれを表現したシーンがあった。
なぜか圧倒されて、涙がぼろぼろこぼれた。
このシーンを観られただけで価値があった。
まあ、父親が何かやらかすんじゃないかと危ぶんだけれど。笑

音楽が聴けないのは、幸せの一つを逃していると思う。
しかし、聞こえないから不幸と言っては、
彼らに失礼なんだろうな。

耳が聞こえなくても振動は感じるから、父親はラップが好きというのも面白い。
そして、目覚ましにかけるクラッシュのI fought the lawがイかしてる。

なんだかんだで家族愛には泣かされる。
お兄ちゃんの「家族の犠牲になるな!」も良かった。
みっちゃん

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