みっちゃん

ハウス・オブ・グッチのみっちゃんのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
4.0
2022.1.24

グッチ家については、以前ごたごたしていて、誰かが撃たれた事件があったなという記憶で、
映画を観始めた時点で、この中の誰かが関係するんだろうくらいに思っていた。
映画がそこへ向かっていると気づいたときから、緊張感が高まった。

パトリツィア・レッジャーニとマウリツィオ・グッチとの出会いから始まる。
パトリツィアが“グッチ”という名字に顔色を変えて、マウリツィオを追いかけるようになるから、
やはり財産狙いだったろうが、マウリツィオが父親に結婚を反対されて家を出てから、
彼女の実家の家業を手伝うようになるので、あら、純愛なのかしらとこの時点では思う。

父親ロドルフォ・グッチが亡くなり、マウリツィオがグッチ家に戻ると、妻のパトリツィアが口を出し始める。
ここから二人が変わっていき、グッチ社長である伯父アルド・グッチ、その息子パオロが絡んで、愛憎劇を繰り広げる。

ファッションそのものではなくて、ビジネスの話が多め。
誰がグッチ・ブランドを牛耳るか、グッチの株を持つか。
手に入れると、もっともっと欲しくなるんだろうか。
身のほどを知り、持っているものを守るくらいにしておけば良いものを…

パトリツィアは欲望に正直で、みっともないくらいに自己を表現する。
はじめはそんな彼女にマウリツィオは惹かれただろうが、次第に気持ちが変わっていく。
まじめで品があって少し野暮ったかった彼も、冷酷なビジネスマンになっていた。
二人を演じたレディ・ガガとアダム・ドライバーがお見事だった。

ジャレッド・レトなんかイケメン俳優のはずなのに、ハ〇散らかした情けないバカ息子呼ばわりされる役で、びっくり。
アル・パチーノも年を取ったけれど、さすがの存在感で、ギラギラした社長らしかった。
伝統のグッチを守ろうとする父親役のジェレミー・アイアンズは上品で素敵だった。

アダム・ドライバーの服は最初から最後まで良かった、おしゃれ。
マウリツィオが心変わりするスイス人(?)女性と比べたときに、パトリツィアの服装が成金ぽくて品がなく見えてしまう。
グッチだと思うが、よく許したなあ。
そして、トム・フォードってグッチのデザイナーから始まったのね。
ファッション業界のことを少し知りたくなった。面白そう。

リドリー・スコットは精力的だね。
『最後の決闘裁判』から時間を置かずにこの映画。
そして最近はアダム・ドライバーがお気に入りなのかな。
上映時間が長いのが、ちと困る。笑

音楽も良かった。
70年代ディスコに始まり、イタリアオペラの名曲をたっぷり聴かせて、80年代ポップスも懐かしかった。
みっちゃん

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