ヴィルヌーヴは本当に物語の導入部、掴みが上手い。開始早々、スクリーンに釘付けになる。
短編である原作を脚本にする労力もさる事ながら、ここまで見応えのある作品に昇華させたヴィルヌーヴをまたしても賞賛せざるおえない。
未見の方には先入観や前情報を入れず、ラストまで騙されて欲しいので物語の内容には触れない。
なのでヴィルヌーヴを褒めちぎろう(笑)
不安を掻き立てる音響、音楽の使い方。
丸みを帯びたモノリスのような宇宙船のデザイン。
また、よく使われる演出だが、子供との絡みのシーンは暖かみのあるイエローを基調とし、現実世界は冷たい青みがかった色彩、船内はモノクロに近い無色の世界と色彩へのこだわりも見せる。
そして一歩間違えば、B級映画の烙印を押されかねないギリギリラインのアチラの方達の造形(笑)
更に、一番の成功は墨汁をこぼしたかのようなアチラの方達の文字のデザイン。
コレ、考えた人、ホント宇宙人だわ(笑)
あらゆる要素を1つにまとめ、観客の我々をミスリードしつつ、最終綺麗に落としてくれたヴィルヌーヴ、恐るべし。
観終わったあと、これだけのネット社会になっても、言葉の重要性と、面と向かっての伝え方や、伝えようとする気持ちが大事なんだと改めて考えさせられた。
○○を与えにきた
これだけ聞けばそりゃ色々妄想し過ぎてパニクるわなぁ(笑)
本作のあとは難関のブレードランナー、そして超難関のリメイク?のデューン/砂の惑星。ちょっとSF作品が続くヴィルヌーヴからまだまだ目が離せない。