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アントマン&ワスプのTEPPEIのレビュー・感想・評価

アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)
4.4
ついにMCU最終作となる「アベンジャーズ エンドゲーム」のトレーラーが解禁。予告から見てもお分かりのようにこの「アントマン&ワスプ」は外せない一作であり、「インフィニティ・ウォー」でシリアスに徹した作風と打って変わった、「アントマン」らしくポップでユーモアの溢れる映画に仕上がっている。

元々一作目は長年エドガー・ライトのもと製作が進められ、電撃降板を経て、ようやくペイトン・リード監督によって製作されMCUの中でも異質さを放っていた。しかしながらMCUの本筋からは離れない程度の独立さを表現したストーリーテリングとユーモア、そしてポール・ラッドのハマりぶりが功を奏してヒットをした。中でも小さくなったり大きくなったりするユニークなアクションシーンや、アリを用いた陽動作戦などなど面白みに長けていた。続編となる本作もMCUの本筋とは別の時間軸で進行して、本格的な続編といえるものになっている。続編のほうが前作よりつまらないという定説を打破するという点においても、「アントマン&ワスプ」は山場というものの存在は感じさせないが、アントマンらしいユニークで楽しい展開に衰えはなかった。マイケル・ペーニャの脇役っぷりは作品自体を盛り上げ、安定感あるマイケル・ダグラスとエヴァンジェリン・リリーの共演がテンポそのものを凄く良くしている。そこに何くそ贅沢なポール・ラッドが加わって抜群に面白い。

ヴィラン自体は弱さを感じるものあるも、ストーリー設定を知れば致し方なし。ダイナミックアクションを売りにする作品ではなく、視覚的に遊びの多い演出を楽しむ映画になっているので良いんではないか。過激さが抜けて、ポップさが加わった「デッドプール」のようにアントマンとワスプを大活躍をしっかり楽しめる。
総評として変に「エンドゲーム」への繋ぎ作品にならずにアントマンを魅力的に描く続編として満足できる作品だった。もう少しスーツをじっくり見たかった気持ちもあるが、妙に親近感のあるヒーローという点は変わりなくて良かった。エンドロール後の衝撃のまま、アベンジャーズに会える日を待つ。
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