さうすぽー

傷物語I 鉄血篇のさうすぽーのレビュー・感想・評価

傷物語I 鉄血篇(2016年製作の映画)
2.4
自己満足点 47点

(短文感想)

化物語の前日談、即ち全ての"物語シリーズ"の始まりの物語。

ジャン=リュック・ゴダールやダリオ・アルジェントの影響が強い新房昭之監督によるテロップや幻想的な独特の演出は今作でも健在であり、それによってシリアスで伝奇スリラー色の強い本作に映像の強みを与えている気がします。

ただ、この序章である「鉄血編」はキスショットと暦の関係性の始まりと暦が吸血鬼になる経緯を重点に置いたせいか、60分という上映時間にも関わらず展開が遅すぎます。
正直本作の内容であれば30~40分程度で済まされるはずなのに、それを無理やり1時間に引き伸ばしている印象です。

あとこれは"物語シリーズ"における個人的に苦手な部分ですが、暦とヒロインのやり取りが好きじゃないです。
今作でも暦の羽川さんとの関係が薄い上に、何故羽川さんが暦の事が好きなのか理解に苦しみます。

とは言え、暦を演じた神谷浩史とキスショットを演じた坂本真綾の演技は圧巻です!