リコリス

ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそのリコリスのレビュー・感想・評価

4.7
国や人種、文化の多様性のある街を多面的にスケッチしたドキュメンタリーと思っていたら 、所属先コミュニティのショーケースのような感じから、市場経済優先の資本主義批判になっていく。

宗教(ユダヤ、イスラム、カトリック、主の祈り、ヒンドゥー)、移民(居住権と人権、労働法)、性差(LGBT)、年齢差(老人と若者)、文化(集会、パーティー、ハラルフード、音楽、クラブ、食堂、ダンス、タトゥー、ヘアサロン、墓、トリミングサロン、パレード)などなど。色彩や音楽、人々の服装や佇まい、しぐさ、語り方…見ていて飽きない。大画面推奨。

歌う電報はケネディ大統領踏襲(笑)

コミュニティ存続や自分の立場など議論や説明する場面は、皆が朗々と弁ずるので驚く。民主主義は決定までに時間や労力かかかるとしても、やはりいいと、しみじみ思う。

そんなジャクソンハイツが、じわじわと強者の資本主義に喰われて消されそうになっていくのが悲しい。ジャクソンハイツの事例は(多様性は劣るが)日本にも、世界中にもあるけれど、強者を止めることが出来ていない。持つ者と持たざる者、最後はそこなのだろうか。。。
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