ニトー

ゴジラvsコングのニトーのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

主は言われた。「KOM」を楽しめた者だけがこの映画を楽しみなさい、と・・・。ていうか「KOM」にネガティブ評価してた人って「ゴジラVSコング」観てどう思ったんでしょうね。

今回はIMAX3Dで観たのだけれど、アトラクションを意識したカメラワークが結構あるため、実は4DXが一番楽しめる観賞型式なのではないかと思ったり。というか、そうやってある程度の体感を持って行ってもらわないと余計に頭を働かせてしまい粗に気づいてしまうので・・・。

ところで、このモンスターバースにおける一番の垂涎ポイントは実のところアバンクレジットの白塗り&記録(ニュース)映像なのではないかと思う。それが一番良かったのはもちろんギャレゴジのアバンなのだけれど。しかし今となってはこのアバンも日本の行政文書におけるのり弁のアレを思い出してしまったり。
ともかく、「ゴジラVSコング」におけるアバンもそんな感じで、タイトルがデデーンと出るところは平成VSシリーズのようなバカっぽい派手さで「いいじゃんいいじゃん」となったのですが、中身まで平成VSシリーズのバカッぷりを踏襲しなくてもよろしいのではないか。

人間の描写ははっきり言って「KOM」におけるドハティのぶっとび怪獣フリークっぷりがない分、余計に「おいおい」な部分が目立つし一つ一つ言及してたら枚挙にいとまがないのでここで書くことはしませんが、ゴジラがそこそこ好きな日本人としてこの「ゴジラVSコング」(というかモンスターバース)に言いたいことがあるとするならば、リスペクトのつもりなのか知りませんが「芹沢」とか「オキシジェンデストロイヤー」は持て余すくらいなら出さんでよろしいのでは。

あと小栗旬の扱いですが、ぶっちゃけ予想はしてたけれど、ほとんどセリフはもらえず、そのセリフもどうでもいいものばかりな上に、あそこまでおぜん立てしてもらってメカゴジ操作させてもらえねーでやんの!邪推するのならば、小栗旬のセリフが、主に彼の英語の発音のせいでがっつり減らされてしまった結果が完成品なのかもしれない。だとしたら彼にこそ手話を使わせるべきだったのでは。

そんな失礼な邪推はともかく、この映画にはひどいクリシェが散見されるのだけれど、メカゴジラパートは素直に最初は小栗旬が操作してたものの彼のゴジラへの憎しみ(といってもそういう描写もないので、前作の渡辺謙とのつながりをこっちが忖度しなきゃならんのですが)がギドラと共鳴して暴走して~とかって感じにすりゃいいのに。あとメカゴジラのデザインがターミネーターすぎますね。ソフビの情報が出回った時点で知ってはいましたけど、思った以上にガリガリだしターミネーターだしで、「レディプレイヤー1」のメカゴジラがいかに良い塩梅でリファインしていたか再認しました。ていうか、メカゴジラのデザインとかゴジラがやたらと前のめりに俊敏な動きを見せるのとか、マグロ食ってるやつにインスパイアされてませんかね、アダム監督。

そうそうゴジラでいえば、なんか知能が低下しているように見える。なんで動力切っただけで「死亡確認!」扱いなのかとか、思いっきり正面(やや上だけれど)にコングがいるのに不意打ち食らったりするし。

いやまあ、「ゴジラ:ドミニオン」を読んでいれば、ゴジラはあくまで調停者であってむやみやたらに怪獣を殺しまわってるわけではない(だからラストでも特にひと悶着もなく帰っていく)というのは忖度できるのですが、それでもなんだかなぁ。

ミリー・ボビー・ブラウンも・・・前作ではいい具合の表情を撮ってもらえてたりしたのだけれど、今回はおそろしいほど凡俗な見た目かつ陰謀論者めいたムーブしかしてなくて残念。


怪獣プロレスはまあ楽しめましたけど、ほかを帳消しにするほどかと言われると首をひねらざるを得ない。というか、よほどコングかゴジラに思い入れでもない限り、「KOM」の怪獣マシマシの絵面に勝ててないと思うんだけれど。

期待値以上のものを求めると肩透かしくらうかも。
ニトー

ニトー