KouheiNakamura

アズミ・ハルコは行方不明のKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)
3.5
女たちの挽歌。


劇団ゴジゲンの作・演出として知られる松居大吾監督の異色ドラマ。長編映画の監督は今回で7作目。蒼井優、高畑充希、太賀などが出演。

うぅむ…困った。観てから時間が経った今でも、この映画が好きかどうかが判然としない。いや、悪い作品ではない…と思う。時系列がバラバラな構成、不愉快でインモラルな行動や言動だらけの若者描写、いい意味でも悪い意味でも非常に攻めた映画だと思う。人によっては全く理解できない!となっても仕方ない作品かと。
かくいう僕も鑑賞中はずっと頭に疑問符が浮かび続けていた。この映画は何がしたいのだろう…?
ラストまで見れば、実はこの映画が語りたいテーマが非常にシンプルであったことがわかる。社会的に弱い立場にある女性たちへの差別、抑圧からの解放。昨今流行りのフェミニズム映画の一本と言ってもいいのかも。あえて観る側にストレスを溜める作りになっているのも意図的なのでしょう。

役者陣はいずれも好演。特に蒼井優は流石。大げさな感情表現に頼ることなく揺れる心情を体現して見せていました。

…と、ここまで書いておいてなんですがやはり僕にはあまりハマらない映画でした。非常にチャレンジャブルな作品ですし、一見の価値はあると思いますが…なんだろう、ピンと来ない作品でした。怪作、といったところでしょうか。
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