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ライド・ロンサムのHKのレビュー・感想・評価

ライド・ロンサム(1959年製作の映画)
3.5
昔の映画でカラーだと思っていたらモノクロというのは“あるある”ですが、今回は珍しく逆パターン。モノクロ・スタンダードだと思っていたら、オープニングから壮大な景観のカラー・ワイドでなんだか得した気分。
賞金稼ぎの主人公がお尋ね物を捕らえて町に戻る道中で様々なトラブルに見舞われます。

ランドルフ・スコット主演の古い西部劇は数えるほどしか見ていませんが、今回の目当ては当時まだ脇役だったジェームズ・コバーンとリー・ヴァン・クリーフの共演。
オープニング・クレジットから、主役の後に4人連名ながらコバーンとクリーフが並んで出るだけでワクワク。2人の共通点はハリウッド西部劇とマカロニ・ウェスタンの二刀流。

それぞれどうせ端役程度だろうと思っていたら、一応は主要登場人物の一人で、そこそこ出番もセリフもアリ(まあ、主な登場人物は5人ほどですが)。
コバーン(当時31歳)は本作が劇場作品デビューらしく、本作の翌年が『荒野の七人』。
『荒野~』に先がけ両手で構えた拳銃で遠距離射撃するシーンもアリ。

対して、いつもよりセリフが多く戸惑っている風情のクリーフ(当時34歳)は、悪役面ながらそれまでの作品同様たいして強そうに見えず貫禄もナシ。
この6年後の『夕陽のガンマン』でいかに大化けしたかがわかります。
それだけレオーネやマカロニとの出会いがクリーフにとって劇的だったと言えましょう。

しかし折角のこの二人の共演も、敵味方のせいもありツーショットはおろか引きで同じ画面に納まることすらなく、並んでの登場はクレジットのみだったのが残念

主役のスコットは当時61歳(遺作の『昼下がりの決闘』の3年前)でもうかなりのご高齢ですが、監督のバッド・ベティカーとはこの時期に本作や『七人の無頼漢』など数本の西部劇を撮ってます。
脚本は『夕日に立つ保安官』『大列車強盗』など監督でもお馴染みのバート・ケネディ。

そして本作で特筆すべきは、紅一点のカレン・スティールという女優さんのロケットのような胸。これぞまさにツインピークスと呼びたくなるような絶景。ジャケ写のイラストは決して誇張ではありません。
インディアンがこの女性を馬と交換してほしいと交渉しに来ますが、この胸ならどんなに広い荒野の中にあってもインディアンに限らず男を引き寄せてしまうのも納得。
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