LalaーMukuーMerry

シティ・オブ・ゴッドのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
4.8
これは参った、そして驚いた。

1960~70年代のブラジル、リオデジャネイロのスラム街(通称「神の街」)の若者ギャングの世界を描いた、あえて言います、傑作です。

ギャングものの作品は、はじめは面白くても、だんだん凄惨な感じになって、人はたくさん死ぬし、ろくなもんじゃないんだけれど…。この作品も言ってみればその仲間ではあるのだけれど、すごく面白いのですよ、引き込まれてしまった。ストーリー展開のテンポの良さ、冴えわたったカメラワーク。

最後に、実話に基づくストーリーって出て、おぉ!!っと唸ってしまった。

こんなひどい街、何とかしなきゃ、というのは、ちょっと後に置いといて、まずはこの現実を知っておいて、そしてこの作品を楽しんでください、難しいかもしれないけれど…。なんだか主人公の「スラム街愛」を感じてしまいました。生まれ育った町は、他人が見ればどんなにひどいところでも、特別な場所なんですね。

それにしても、とんでもない世界。警察もろくなもんじゃない。もし私がこんなところに生まれ育ったとしたら…、日本に生まれてよかったと、しみじみ思った次第です。