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シティ・オブ・ゴッドのkのレビュー・感想・評価

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
3.9
まさかの実話。あまりにドラマチックに出来てるんでフィクションかと思ってました。ラストの全面戦争のところはロバート・キャパのエピソードを基にしたのかと。

人物が登場してはまた死んで、めくるめく殺戮劇ではあるんですが、その登場人物の描かれ方、そもそもの構成が秀逸ですね。ただ主人公の成長を追うんじゃなくて、むしろその逆に周囲の人間の関わりを経て、主人公を描いていくというスタイルです。

今作に描かれたスラム街の現状の根源の全ては貧困にあります。引いては、少年兵問題も同じです。印象的だったのが、「ホームレス? じゃあ神の街に連れてけ」というセリフ。もちろん実際に政府がこんなやり取りをしていたら問題ですが、言葉で表すならこれも同然。ある意味、都市部の治安と景観を形作っているのは神の街があってこそだと言えます。だからといって神の街のようなスラム街があっていいわけはありませんが、ホームレスが生まれてしまう以上、まず景気や情勢など国家単位での問題が解決しなければいけません。ブラジルの問題ではなく世界の問題、あらゆる国の支援で子供たちの将来は明るくなるのではないでしょうか。
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