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ある夏の記録
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『ある夏の記録』に投稿された感想・評価

菩薩

菩薩の感想・評価

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シネマ・ヴェリテの金字塔と呼ばれる本作のカメラが暴き出した最も真実らしい事実がなにかと言えば「幸福」の対義語が「不幸」では無く「労働」であると言う事実に他ならないと思うが、そもそも不定形である「幸福」そのものをカメラに収めようとするその姿勢が行き着くところの「愛の映画を撮ろうとしたら無関心の映画になってしまった」と言うのは何よりの真実でありこの作品が獲得した「前進」であると思った。いかんせんシネマ・ヴェリテと呼ばれるものを意図して観たのが初めて(たぶん)なもので、ずっと「これがシネマ・ヴェリテかぁ…」なんて謎の感慨に耽っていたが、カメラの前での「嘘」vs「真実」の相克に物心が付いたのはここからって事なのですか?ってのを質問すりゃ良かったと今更後悔している。カメラの前で素顔を晒さなければそれは真実にはなり得ないし、晒し過ぎても嘘臭さが漂う、その辺りを出演者自ら顧みるフィードバックが非常に興味深かった。印象的なのはやはり庭の木相手に挑む柔道の自主練…では無くマルセリーヌの腕に刻まれた収容者番号、を見て思わず声を失うアフリカの青年。今丁度圧倒的な悲劇を前にした人が失語症に陥る事についての本を読んでいるので興味深い瞬間だったし、それこそトークゲストの小森はるかが作品を通して成し遂げようとしているのはそれを他者の言葉で語り直す事なのではないかと勝手に繋げてしまった。その後の明らかな「演技」(そもそも彼女は女優なのか)は真実がどうであるかを超越する感動がある。まぁ結局のところよく分かって無いけど、こう言う企画が満席になるのってなんかめちゃくちゃいいなぁ…と思いました。サントロペ編で出てくるBBみたいなキャンギャルみたいなお姉さん、あのお乳は一体なんだ…真実とは一体…。
sashaice

sashaiceの感想・評価

4.2
アフリカ専門の人類学者ジャンルーシュ×社会学者/映画理論家エドガールモランが手掛ける野心的実験映画。シネマヴェリテ=真実の映画と呼ばれる人間の隠された深層心理、カメラによって現実を再構築する実験。ソ連のКино правда から着想を得たらしい。あなたは幸せですか?の街頭インタビューから始まるインタビュー映画かと思いきや中盤ガラッと変わり、最後で驚かされる。同時録音と軽量カメラで撮影されたかなり初期のフランス作品にも関わらずかなり真新しさを感じることができる作品。ジャンルーシュは120本近く映画を残しているくらい映画監督としても著名らしいが今回初めて彼の作品を見て、被写体となった人たちに映像を見せてフィードバックをするスタイルがすごく興味深かった。土木エンジニアとしてアフリカのニジェールで働き始めその地に魅了され、自分でカメラを撮って残すようになった彼は西アフリカ専門で「私は黒人」という作品でゴダールに賞賛されたらしい。こちらも見てみたい。エドガールモランに「あなたは黒人のことはよく知っているけどフランス人について何を知っているか。フランスでフランス人を撮ってみたらいいじゃないか」と言われフランスが舞台の本作品を撮ることを決めたらしい。
やっぱり最後の展開の衝撃。撮られた人たちが自分達の映画を見て、彼らの反応を見る。役者になっていたり露出狂になったり。カメラ越しの彼らは真実なのか、偽りなのか。互いに言い合う議論が面白かった。マリルーめっちゃ演技派に見えたけど、手が震えたりシリアスなところで笑顔見せたりその不可解な反応がすごく美しかった。。
[チャップリンより面白くないwwwそれはそうwww] 70点

カメラを向けても自然な会話ができるか?、映画は真実を映しうるか?というテーマを描いた論文みたいな映画。ルーシュとモランによる概要説明、実際にパリの街などに出て実験とその結果、そして最終的に試写室に戻って考察という名の反省会が揃えば、その体裁は論文のそれである。この映画を観る度に別のポイントで寝てしまうので、正味これで四回目くらいの鑑賞なんだが、そろそろ飽きてきたので供養の意味も込めて。本作品の思考実験的な側面については興味深くも言語化が面倒なので放置し、ここからは"1001の映画"におけるドキュメンタリー映画の変遷を辿ることにする。

と言っても言及する作品は本作品→ジム・マクブライド『David Holzman's Diary』→ロス・マケルウィー『Sherman's March』だけ。本作品の帰結は"ある程度なら真実も映せそう"だったが、マクブライドは世界初のモキュメンタリーを製作することで、映っているのはある面では真実でありながら、完全にフェイクであるという矛盾を提示した。マケルウィーはこれら二つの作品が提示した事実に対して、親密さというパラメータをぶち込むことで、カメラと本心の距離感を捉えることに成功したのだ。勿論、映画史まで視点を広げると、多分メカスの日記映画がそれに該当するんだろうけど。
ということで、マケルウィーの圧倒的勝利!最近オールタイムベストを久々にメンテナンスしていたら、『Sherman's March』がベスト30前後にいることに驚愕した。今思い返してもそれくらい衝撃的だった。

本作品を以て、2011年版"1001の映画"の英語字幕オンリー作品は終了となり、残りの130本は全て何らかの形で日本でソフト化された作品となる。さて、ここからがデスロードか…

追記
表題は反省会で"面白かった?"と訊かれた少女が秒速で応えた台詞です。他意はありません。

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