タキ

ジョン・ウィック:チャプター2のタキのレビュー・感想・評価

4.0
前作の5日後から物語は始まり、相変わらず車(と犬)に異常な執着を示すもののカーチェイスでいきなり愛車をズタボロにしてて狂気だった。2030年のクリスマスまで修理がかかるらしい。笑う。
やってること無茶苦茶なんだけど常に悲しげな表情を崩さないところがジョン・ウィックのチャームポイント。復讐を果たし名前はまだない犬と平穏な日々を送ろうとした矢先にジョンの前に現れたのはイタリアンマフィアのサンティーノ・ダントニオ。かつて交わした誓印によって一度だけどんな仕事も受けねばならぬ掟があり足を洗ったと断ったら即バズーカ撃ち込まれて家を焼かれた。家はともかく犬が死ななくてよかった前作のトラウマでビクビクした。
この誓約は絶対なので引き受けざるを得ないとコンチネンタルホテルの支配人、ウィンストンに言われてすぐ引退を諦め、主席連合の一席を任されたサンティーノの姉を殺すことになり、ラストはコンチネンタルホテルの助けもなく身一つと犬1匹で世界中の殺し屋に狙われるハメになってしまった。
こんな大風呂敷広げて大丈夫なのか…。続編は決まってるそうなのでなんとかこの大風呂敷畳む算段はできてると信じてる。

今回もキアヌは一応悲しそうな顔をしてはいるけど楽しそうだった。アクションは時には重そうにも見えるけどその重量感が迫力につながっていてそれはそれでいいと思う。ほとんど全編アクションだと言っても過言ではないほどのたくさんのアクションシーンにバリエーションをもたせていて飽きさせない工夫もしていた。
一般人のフリをした殺し屋がいきなり襲いかかってくるし、それがストリートミュージシャンだしスモウレスラーだし、駅の構内でサイレンサー付きの銃でこっそり撃ち合いしてたのには笑った。電車内のナイフ戦で他の乗客が車両の隅っこに集まって見てたの不思議だったんだけどニューヨークの地下鉄は別の車両に移れないのだろうか。鏡の間はなんかどっかの映画で見たような気がするけど動きが変則的に見えるしパリンパリン割れて派手に見えるし面白かった。派手といえば普通の殺し屋は裏から入ったら裏からでるもんだけどジョン・ウィックは正面からでるし、サンティーノはホテルから引きずり出して殺せば済む話のところをホテル内で殺してしまうのだった。ジョンは派手好きが過ぎる。それから悪い人の最後あっさりしすぎなのもデフォだった。サンティーノ姉、諦めるの早すぎないか。

最大に面白かったのが犯罪組織連合と殺し屋御用達コンチネンタルホテルの作り込まれた世界観。これには中二ゴコロを掻き立てられてワクワクした。
犯罪組織連合らしき12席あるという主席同盟。名称がマジ中二。組織表を見せて欲しい。コンチネンタルホテルの殺し屋専用ソムリエ(実はワインではなく銃のソムリエ)仕立て屋(見かけは普通のスーツだが実は防弾仕様)地図&錠前屋(潜入先の地図と裏門の鍵を用意)がそこでしか通用しない金貨を使って完璧にジョン・ウィックの装備を提供する。それからホテル内の殺しは厳禁という掟、誓印の血の誓い。
この設定を適当にやってしまうと話が薄いので一気につまらなくなると思う。

続編は今回殺し屋から匿ってくれてサンティーノの居場所と潜入経路を案内し、7発しか撃てない銃をくれたニューヨークの地下組織のボス、キングがもっと絡んで来そうかなという気がする。でもあっさり死ぬと思う(予言)
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