このレビューはネタバレを含みます
映画は、まさにプロフェッショナルの姿を描いて秀逸である。
とにかく冷静沈着。
事故の時も、その後の査問においても。
実際ここまでの人は同じ機長でもなかなかいないのでは?
この飛行機に乗り合わせていた乗客はラッキーだったのかアンラッキーだったのかわからないくらい。
鳥がエンジンに飛び込んだのは非常にアンラッキー。
機長を含むクルーが並はずれた人たちだったのは超ラッキー。
命の瀬戸際でこの冷静さはすごい。
携帯が光っただけでかっかするようではダメだ(笑)
でもそんなもんでしょ?
サリーは飛行機のハドソン川不時着を成功させる。
それだけでもすごいが、その後の救援作業の指揮もすごい。
乗客を全員退避させ、最後に自分が避難する。
どこかの国で真っ先に逃げ出した船長を思い出した。
やっぱりこの人はすごい。
その後、英雄から一転して、不時着の判断は間違っていたのではないかと追求をうける。
公開の場で、色々なデータが示されてシミュレーションが行われる。
この場面がまたきわめてアメリカ的だなと思った。
日本だったらきっと公開されず密室でうやむやになりそう。
その場で議論が行われ、シミュレーションもやり直される。
調査委員会側に主張は、左エンジンの推力は残っており、不時着しなくても空港に引き返せたというもの。
シミュレーションの結果はたしかに空港に無事着陸できた。
が、パイロットふたりは練習を17回も繰り返していたことが明らかになる。
サリーは今まで経験したことない事態でマニュアルの無い中判断をせまられている。
判断時間はシミュレーションの計算に折り込まれていない。
そこで、50秒のロス時間を前提に折り込んで再シミュレーション。
実話とはいえ、スリリングな展開だった。
クリントにしては珍しく尺が短い。
そろそろ終わりなのかな?とそんなことも考えさせられた。