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二つのロザリオ/はかない期待のmingoのレビュー・感想・評価

4.2
モスクで礼拝への呼びかけを行う職へ就いた冴えない主人公ムサは絶世の美女カトリッククララのロザリオを拾うことがきっかけで恋に落ちていくが…毎朝4時起き質素な生活、クララを見つめることしかできないムサの想いがイスタンブールの海の波ように寄せてはかえし、終始歯痒くて切ない。30すぎの非モテ男子はこの映画を容認できない…そういうとこだと思うぞ。宗教上の越えられない壁と想いが交錯するオリエント急行の終着駅シルケジ駅でのラストシーンは映画だからこその深い余韻を残す傑作!
唯一彼女に触れられる挨拶としての握手、キッチンが愛を伝える舞台装置として機能、クララを追う古書蒐集家ヤクプの秘密、飲めないコーヒー、何より3人で訪れたシレで観光客を狙った写真屋に撮影してもらった白い衣装同士の2人なのにもかかわらず宗教上の理由で詰められない距離感を物語った写真がこの映画の全て。
3点台?いやムリ〜「息もできない」と同時に最高賞受賞させたロッテルダムの信頼度あがった。イラスト付き感想ツイートが初プチバズ。
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