Daisuke

裸足の季節のDaisukeのレビュー・感想・評価

裸足の季節(2015年製作の映画)
4.2
[はじまり]

ある意味で牢獄に閉じ込められた少女たちは、牢獄を出る時に、心を失っていく。
それはずっとその土地で繰り返されてきたこと。
そこに1人、強い眼差しで、残酷なその世界のシステムに抗った女の子の物語。

想像していた物語よりも、
良い意味で前半と後半で作品のトーンが変わったように見えた。

前半の抗えない淡々とした感じから、後半のサスペンス的な疾走感。
その構成そのものが、末っ子五女であるラーレの心の流れと連動してるかのようだった。

これには賛否両論あると思うけれど、
前半の小さな伏線なども張られていて、感情や感覚的なものだけのシナリオではない。
個人的には、むしろラストの高揚感のためにしっかりと主人公の流れを作ってあげてると感じた。

鑑賞直後の感想としては、とても浅い感想だけれど、少女達には残酷に見える世界にも、あの車の運転を教えてくれたような男、
ああいった人間達もいるという事を忘れないでほしいと思った。
Daisuke

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