茶一郎

SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁の茶一郎のレビュー・感想・評価

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『シーズン3.5』

 迷い込んではいけません。
本編映像 93分+ 本編前映像 8分 (脚本家が美術を褒める映像)+メイキング 16分(出演者が仲良さそうにしている映像)
この構成から分かるように完全なファンムービーです。「SHEROCK」をシーズン3まで観ていくこと必須。シーズン3から4への橋渡し的な作品以外の何物でもありません。
逆に、迷い込む気満々な方は紅茶でも飲みながら脚本家や出演者たちのリスニングを楽しむのが英国紳士のたしなみ。
眠くなったら紅茶をすすれ。これギャルの鉄則。

 改めて、ドラマ「SHEROCK」のオススメポイントをまとめます。

1. 現代の時代性に則したシャーロック・ホームズの探偵像
 スマホ、SNSを駆使し、スリリングな情報戦。原作の現代的アップロード。

2. とても早い語り口
 シャーロック役のベネディクト・カンバーバッチ含む天才たちの早口演技とポップな編集とが相まり、とてもスピーディなストーリー展開に。この早さが脚本の粗を勢いで吹き飛ばします。

3. バディ物としての面白さ
 これはどのホームズ作品に共通ですが、天才(狂人)のシャーロックへの常人ワトソンの視点。シャーロックに振り回される人の様子。もちろん天才が故の予想できない事件解決のカタルシスは格別です。

 一方で、話数を経ることでワトソンがシャーロックに慣れ、ワトソンが脱常人化。名探偵コナン並みに狂人の周りに狂人たちが集まり、『精神の宮殿』などどいう胡散臭い概念の登場。
いつの間にやらの天才、狂人同士の能力者バトルにノれるか、ノれないか、で非常に評価が分かれてしまう印象です。

 今作の本編に関しては、本国ではテレビ放映だったようにドラマスペシャルの枠を超えていないように思いました。全体的に暗い画作りで眠気が増しますし、上述の通りシーズン3から4への橋渡し的な役割が強いため今作だけではストーリーが収束していません。
ファンは週替わりの入場特典4つを目当てに、コレを4回見る訳ですが……
英国上流階級への道は険しい。
茶一郎

茶一郎