マヒロ

デッドロックのマヒロのレビュー・感想・評価

デッドロック(1970年製作の映画)
3.0
閉鎖しれた鉱山の管理をするダム(マリオ・アドルフ)は、ジュラルミンケースを持って行き倒れている若い男を発見する。ケースの中身が大金だと気づいたダムは男を殺して奪い取ろうとするが、思い直して介抱してやることにする。男はキッドといい、仲間であるサンシャインという殺し屋を待つために鉱山に留まるが、大金を目の前にして男たちの間には緊張感が生まれる……というお話。

雰囲気からなんとなく西部劇なのかと思って観てみたが、鉱山という限定空間が舞台で、極端に少ない登場人物がポストアポカリプスもののような終末感を漂わせる全然違う話だった。なんとなくマリオ・アドルフが『続・夕陽のガンマン』のイーライ・ウォラックっぽい見た目で、金を見つけるために墓場で穴掘りをさせられるというまんまな描写があるので意識しているのかもだが。

金を巡っての男たちの騙し合いが繰り広げられる……というと聞こえが良いが、実際はそこら辺にほっといた銃を盗られて形勢逆転というシーンが何度もあり、心理戦というよりうっかりものが揃ってるだけという何とも言えない脱力感がある。ただ、そんな雰囲気に重なるあのCANによるグダッと間伸びした曲が驚くほどマッチしていて、何とも言えない弛緩した時間が流れるところにどことなく魅力を感じてしまう。
面白い映画かと言われると微妙なところだが、今まで観たことのないタイプの映画だったことは確か。

(2022.138)
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