古い木造アパートに入居した夫人（宮下順子）が、他の居住者との交流を通しながら、女の幸福論を考えあぐねていく。「夫婦の営み」の在り方を提起している、日活ロマンポルノ。香山佳代が編纂した実話ルポを原作に取っている。

アパートに居住する夫婦たちの群像劇を主軸にして、妻による父権主義からの開放が繰り広げられる。「このアパートは負け犬の集まりだ」と邪険にする夫（吉原正皓）と、「ここが好きだわ」と擁護する夫人。この対比が、すべてを物語っている。

女優・男優ともにオールスターが総出演しており、丁々発止のやり取りを見せてくれる。とりわけ、殿山泰司演じる"お人好しなダメ人間像"が印象的。夫人たちが集まる大衆浴場に、暗喩を含ませた"おかめ"面を飾るというセンスも笑える。

こぢんまりとした小品だが、演者のポテンシャルが引き出されているため、一定のテンションを保つことができる。女優ばかりではなく、男優の力量にも注目すべし。

セーヌ川かと思ったら…舞台は東京深川不動尊。殿山泰司が大家の不動荘での女たちのこもごも、住民たちが立ち退き問題で膝を突き合わして乱闘になったりするの「のぞき」みたいな演出で楽しい。川崎&浜竜のヤングカップルもいいけど、やっぱし宮順と若い男パートがずっしり見応え。ガス自殺した男に跨がり切なくてやりきれないお別れのSEXシーン😭すんばらし。アソコに埋めるのは白い骨。齧る渡哲也にも負けてない。とにかく宮順の演技・佇まいに圧倒される。妊婦の絵沢萠子、キスマークの丘奈保美。女湯ではじまり女湯で〆る、ロージー「スチームバスの女」を重ねるって冴えすぎだねtunic〜！そしてありがとうございます武田一成監督。

昭和な映画。アパート住人の性生活が垣間見れる。大家の殿山泰司が相変わらず笑わせる。宮下順子が結構エロいがラスト近くの半分死人との濡れ場はどうだろう？

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