カテリーナ

死霊館 エンフィールド事件のカテリーナのレビュー・感想・評価

3.8
ホラーに挑戦は更に続く

これは実話である
こんなに凄まじい数々の超常現象
が人間の住む家の中で起きている
とは俄かに信じられない
1977年にイギリス・ロンドンのエンフィールドという街で起こった本当に怖い怖い
事件

アメリカでは非常に有名らしい超常現象研究家のエド&ロレイン・ウォーレン夫妻
がこの事件の解決に当たる
スピルバーグも作品として残している
所謂、ポルターガイストである
家の中で家具が勝手に動いたり
おもちゃの電源が入って急に動き出したり
寝室の布団が剥ぎ取られたり
もっと、恐ろしいのは悪霊が幼い子供に
乗り移って悪戯したり、驚かしたり
人間を痛めつけたり 更にエスカレートして
もっと苦しめてくる 精神的に、肉体的に
こうなってくると
『エクソシスト』だ 悪魔祓いが必要になってくる

今作で悪魔に狙われる被害者は
まだ、幼い女の子 4人兄弟の内の
弟のひとりは吃音で学校で虐められてる
それを健気に庇う心優しいジャネット
オカッパ頭があどけなくて ナタリー・ポートマン似の美少女が悪霊に散々虐められる
ジャネットを心配する母親は芯の強いシングルマザーで家賃が払えないと無心の電話を掛けたり、吃音の子供のおやつのクッキー代の為に煙草をやめる本当に優しいお母さん
それだけでも幸薄い境遇に同情してしまうのに、悪霊は容赦無くこの家族を襲い
更に不幸の雨を降らせる

「悪霊は弱い精神に寄生してその人間の精神を蝕んで弱らせるんだ」
少しでも家の中を明るくしようとエドがプレスリーの
『好きにならずにいられない』を
ギターの弾き語りをするシーンがとても良い 暗く淀んでいた家の中がエドの優しい歌声に包まれる 唇を曲げてプレスリーの物真似に皆んなが笑顔になる
ジャネットのあどけない微笑みが
束の間輝く それを遠くから見守る
ロレインの優しい眼差し
エドとロレインの夫婦の絆も描きながら
史上最長期間続いたポルターガイスト現象に立ち向かいジャネットを救う為に
勇気を振り絞る
正に振り絞るのだ
ロレインが唯一の味方をいつか見つける日が来るから人を拒んでは駄目とジャネットを諭すシーンで
これは普遍的な台詞だなぁと感慨深い
クライマックスでは
調査するだけだった約束がどうしても守れないとロレインに謝りエドが危険を顧みず
ジャネットを救う為に疾走する
しかし、私はここまで盛り上がってるのに
何処かで冷めているのだ
それは宗教的な問題で
無宗派の私は勿論神様を信じていない
その対局に存在する悪魔もしかり
だから、エドが十字架を掲げて憑依しているジャネットに向けているシーンで
これは実話です
の信憑性が吹っ飛び 映画の魔法から急激に覚醒するのだ
とは言え、そこを除けば
大いに震えあがり、エドとロレインの夫婦愛に 感動して 満足なのだが……
カテリーナ

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